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『東京五輪に反対する18の理由』の改訂版発行

「オリンピック災害」おことわり連絡会編
 2020年3月11日発行/500円

五輪災害おことわリンクが発行した『東京五輪に反対する18の理由』の改訂版が発行されました。

500部限定、各集会で販売します。

3/24(火)
東京駅スタンディング(19-20時)

3/26(木)
Jビレッジ・いわき市聖火リレー抗議
新宿アルタ前からデモ(18:30)

3/28(土)
郡山聖火リレー抗議トーク・リレー

です。参加を!

【目次】

はじめに…オリンピック──祝祭という名の災害だ!
1…どんどん膨れ上がる五輪開催の費用
2…都市計画の変更なしにスタジアム建設はできなかった
3…巨大イベントは利権の巣
4…オリンピック招致で多額のワイロ
5…「暑さ対策」騒動にも「マネー五輪」の矛盾
6…ボランティア搾取の闇
7…野宿者・生活者が排除される
8…オリンピックのための「テロ対策」
9…原発事故隠しの「復興五輪」
10…アジアの森林を破壊するオリンピック
11…五輪建設現場の現実
12…オリパラ教育で動員される子どもたち
13…天皇・日の丸・君が代
14…聖火リレーってなんだ?
15…パラリンピックと優生思想
16…オリンピックとジェンダー
17…アスリートの健康被害
18…クーベルタンとオリンピズム
19…戦争とオリンピックはつきものだ
20…世界各都市で反オリンピック運動
おわりに…反オリンピックの声をともに!

24日のスタンディング(レイバーネット報道)

以下レイバーネットの報道を転載します。

写真と動画 : オリパラおことわりスタンディング(2/24 東京駅前)

◎日時:2月24日(月・休)17:00~18:00
◎場所:東京駅(丸の内側)行幸通り
◎スピーカー 福島現地から電話メッセージ、
 反五輪の会、五輪災害おことわリンクほか

動画(4分46秒)


Created by staff01. Last modified on 2020-02-25 15:23:37 Copyright: Default

2・24五輪おことわりスタンディング・アピール(東京駅)に参加を

オリパラおことわり【毎月24日】スタンディング

◎日時:2月24日(月・休)17:00〜18:00
◎場所:東京駅(丸の内側)行幸通り 35.681732, 139.764442
◎スピーカー(予定) 蛇石郁子さん(郡山市議)
 反五輪の会、五輪災害おことわリンクほか

共同声明 オリンピック聖火リレーを前に「福島はオリンピックどごでねぇ」

以下の声明は、いわき市議の佐藤かずよしさんのブログ「風のたよりー佐藤かずよし」から転載しました。このブログには関連の記事、投稿もありますので是非アクセスしてみてください。

共同声明 オリンピック聖火リレーを前に     
     「福島はオリンピックどごでねぇ」

2020東京オリンピックへ向けての聖火リレーが始まろうとしています。しかし、未曽有の原発被害の渦中にある私たちは、「オリンピックどころではない!」と言わざるを得ません。原発事故の被害者がどれだけ「復興五輪」を歓迎しているでしょうか。

忘れもしません。2013年9月、ブエノスアイレスでの招致演説で安倍晋三首相はこう言ったのです。「状況は、アンダー コントロール」「汚染水の影響は、港湾内の0.3平方キロの範囲内で完全にブロック」「健康問題については、今までも、現在も、将来も全く問題ありません」と。
あれから6年。いま、私たちの目の前にある現実は、どうでしょう。

メルトダウンした核燃料は所在すらつかめていません。壊れたままの原子炉建屋には毎日百数十tの地下水が流れ込み、ALPS処理汚染水は溜まり続け、漁民や住民の意思を無視して海洋への放出が画策されています。40~50年と言われた廃炉計画は見通しすら立っていません。1400万tに及ぶ除染土の多くは、福島県内760カ所の仮置き場に野積みされたままです。国は汚染土を「再利用」の名の下に全国に拡散しようとしています。
子どもの甲状腺がんは、公表されただけでも237人。心筋梗塞、周産期死亡率が上昇しているという報告もあります。健康問題は、「今までも、現在も、将来も」多くの人々を脅かしています。

国はオリンピック招致決定直後に「福島復興加速化指針」を決定、「2020年までの復興」を至上命令とし、福島県も「復興ビジョン」で「2020年避難者ゼロ」を掲げました。それに従って避難指示は次々と解除され、賠償は打ち切られ、帰還困難区域からの避難者に対する住宅提供までも、この3月末で打ち切られようとしています。そればかりか、県は昨年4月以降、国家公務員宿舎に残っている避難者に、「退去せよ」「家賃2倍相当の損害金を払え」という通告書を毎月送りつけ、未契約の5世帯を被告として立ち退き訴訟を起こすというのです。これが福島の現実です。

事故から9年。今も避難生活を余儀なくされている4万8千を超える人々、県内に残って生業と生活、地域の再興懸命に取り組んでいる人々のすべてが、人として生きる権利が保障された、一日も早い「本当の復興」を願っています。しかし、被害の実相を覆い隠し、傷の癒えない被害者を蔑ろにする「偽りの復興」は認められません。
ましてや、スポーツを道具として使い、世界のアスリートをだますような「復興五輪」を認めるわけにはいきません。国も福島県も、「復興五輪」などにお金や力を投入するのではなく、福島の現実と向き合い「被害者の復興」にこそ、力を注ぐべきです。

 2020年2月13日 
                   原発事故被害者団体連絡会
                   脱原発福島ネットワーク

オリ・パラおことわり!月例スタンディング(1月24日inお台場)

2020五輪嫌ぁ〜一発目のオリ・パラおことわり!月例24日スタンディングは、ところを変えて巨大ファイブリングス(五輪シンボル)の浮かぶお台場で!

東京都主催のライトアップ・セレモニーの時間にあわせて、福島の被災者を切り捨てる「復興みせかけ五輪」はおことわり!の意思表示を。福島の仲間からのメッセージもあります。

日時 2020年1月24日(金)18:30〜20:00
場所 台場駅(新交通ゆりかもめ)改札からつながる屋外テラス(駅から「自由の女神」方面に徒歩1分)

※小雨決行

2020年1月25日:LA報告会 コロシアム都市 1932, 1984, / 2028

チラシのPDFはこちら

NOlympics Anywhere(オリンピックはどこにもいらない)というスローガンの下、2019年7月、各都市からのアクティビストが参加するトランスナショナルな反オリンピック集会が東京で開かれました。

そこで繋がったLAの仲間たちの計らいにより、井谷聡子さんといちむらみさこさんはUCLAとLACANの共催イベントに参加するため2019年11月、ロサンゼルスへ訪問することになりました。井谷さんはスポーツ・メガイベントが引き起こす社会問題について研究を進めており、反五輪の会のいちむらさんはオリンピックが開催されるリオや平昌を訪れ、現地の住人たちと繋がってきました。 オリンピックを2回開催したロサンゼルスには、1932年、1984年の「レガシー」が街の風物として残っているようです。

そしてこれまで各開催都市で、貧困者の暮らしや公共資源を食い散らかし立ち去ってきたオリンピックが、またロサンゼルスで2028年の開催準備をすでに始めています。 今回、NOlympicsLAの活動やフィールドワーク、オリンピック開発に反対するデモなどにも参加してきたお二人による報告会を開きます。

東京やロサンゼルスなどメガ都市に、複数回、誘致されるオリンピックについて、みなさんと検証し、オリンピックとは何であるのかを暴こうと思います。

■日にち 2020,1/25(sat) 時間 18時 開場、18時半 開始

■報告者 

井谷聡子 (関西大学 准教授)

いちむらみさこ (反五輪の会)

■場所 文京シビックセンター 5階区民会議室C

東京メトロ後楽園駅・丸ノ内線(4a・5番出口)南北線(5番出口)徒歩1分 都営地下鉄春日駅三田線・大江戸線(文京シビックセンター連絡口)徒歩1分 JR総武線水道橋駅(東口)徒歩9分 資料代500円

主催:オリンピック災害おことわり連絡会

info@2020okotowa.link

http://www.2020okotowa.link

2020年1月12日:オリンピックの終りの始まり

お話

谷口源太郎さん

(スポーツジャーナリスト)

■日時:2020年 1月12日(日)
13:30〜16:30
■ 会場:文京シビックセンター
アカデミー文京学習室 (地下1階)
■資料代:500円

いよいよ2020年はオリンピックイヤーです。3月26日には福島Jビレッジから聖火がスタートして全国を駆け巡ります。ますます
「オリンピックはイヤだ!」と叫びにくい雰囲気が醸し出されようとしています。そんな中で谷口さんは「オリンピックの終わりの始まり」を出版されました。谷口さんは戦後のオリンピックの歴史を丹念に追いかける中で、今こそオリンピックに「終わりの始まり」を私たちの手でもたらそうと問いかけています。
私たちはこの本を題材に谷口さんから問題提起をいただき、2020東京オリンピック・パラリンピックにおいて何を大きくアピールしていくべきなのか、原点に立ち返って議論していきたいと思います。
オリンピックの「終わりの始まり」をスタートさせるために。

主催:2020オリンピック災害おことわり連絡会
千代田区神田淡路町1-21-7静和ビル1階Aスペース御茶ノ水(ATTAC首都圏気付)
info@2020okotowa.link http://www.2020okotowa.link
fb.com/1378883338802691

本が出ました!『で、オリンピックやめませんか?』7月24日発売

内容紹介

「国家的イベント」に、問題はないのか?
18の理由をあげて、大反対。
ダメなものに、きちんと声をあげる、真摯な提言集。

【オリンピックに反対する理由の一例】
・どんどん膨れ上がる開催費用
・利権の巣となる巨大イベント
・多額のワイロ
・ボランティア搾取
・野宿者・生活者の排除
・アジアの森林を破壊
・国民、子どもの動員
・パラリンピックと優生思想

著者紹介

天野恵一(あまの やすかず)
一九四八年生れ。反天皇制運動連絡会、ピープルズ・プラン研究所運営委員、「市民の意見30の会・東京」ニュース編集委員。著書『きみはオリンピックを見たか』(編著、社会評論社)、『「日の丸・君が代」じかけの天皇制』(インパクト出版会)、『災後論 核〈原爆・原発〉責任論へ』(同)ほか。

鵜飼哲(うかい さとし)
一九五五年生れ。一橋大学教員。フランス文学・思想専攻。著書『抵抗への招待』(みすず書房)、『償いのアルケオロジー』(河出書房新社)、『応答する力』(青土社)、『主権のかなたで』(岩波書店)、『ジャッキー・デリダの墓』(みすず書房)ほか。

出版社:亜紀書房

7月23日:オリンピック・ムーブメントVS.オルタ・グローバリゼーション・ムーブメント

2024年にパリで開催が予定されているオリンピック・パラリンピック。世界中どこでも五輪災害NONの声は途絶えることがない。多国籍スポーツ・ビジネス企業となったオリンピック・ムーブメントに対してオルタ・グローバリゼーション・ムーブメントがNONの声をあげる。ATTACフランス結成にかかわり、自由貿易や欧州憲法改悪反対の運動に取り組み、パリ周辺の巨大開発計画に反対し、現在、2024年パリ五輪反対運動の中心的存在、フレデリック・ヴィアルさんに聞く。

日時:2019年7月23日 18:30~20:30(18:15開場)
場所:文京シビックセンター4階 シルバーホール
資料代:500円(逐次通訳あり)

主催:ATTAC Japan(首都圏)
http://attaction.seesaa.net/

※申込不要

★ Frédéric Viale フレデリック・ヴィアルさん
1965年生まれ、大学で法律と美術史を専攻。法学博士。現在、法学の教員。
https://twitter.com/frederic_viale

1999年以来、社会運動に関与。市民団体ATTAC FRANCE*の創設に参画。
*ATTAC FRANCE(https://france.attac.org/)は月刊新聞で有名な『ルモンド・ディプロマティック』編集部のイニシィティヴで創設された市民団体。国際金融取引にトービン税を課税せよというものだが、運動の守備範囲は広い。彼らの提言が世界社会フォーラムの開催の端緒となった。

2001年:ATTACパリ15区の会長

2004年:ATTAC内における自由貿易に関する動員を組織。自由貿易に対する抵抗国際組織『Our World is Not for Sale』(世界は売り物ではない)におけるATTACの窓口を引き受ける。世界貿易機関に反対するキャンペーンを行い、フランス各地で講演。

2005年:自由貿易に関するATTACの委員会の調整役
ヨーロッパの『Our World is Not for Sale』の委員会である「シアトルからブラッセルまでネットワーク」のATTACの代表者。「私の町はGATSの埒外」のキャンペーン担当。「欧州憲法条約に対するキャンペーン」の成功。

2006-2009年:ATTAC FRANCEの常任理事。
欧州社会フォーラムの組織づくりのためのATTACの代表委員

2010年:『ヨーロッパの恐怖』タタミ出版から刊行

2010-2015年:TAFTA、CETA(自由貿易合意)に反対するキャンペーン

2015年:『トランスアトランティック条約反対宣言』、エリック・ボニエ社から刊行

2017年:「2024年パリ五輪反対の会」創設、同会長に就任。五輪反対デモ組織、署名集め(34000筆)、ラジオやTVなどに出演

2018年:『2024年オリンピック、奇跡か蜃気楼か?』自由と連帯社から刊行

2019年:『欧州連合を前にした左翼』クロカン社から刊行

MLホームページ: https://www.freeml.com/okotowari2020

オリンピックおことわりTV 第三弾 「ワクワク感動? ボーっと生きてんじゃねーよ!」

6月19日放送。1,動画ニュース 2,オリンピックおことわりTV 第三弾 「ワクワク感動? ボーっと生きてんじゃねーよ!」(谷口源太郎・鵜飼哲・堀切さとみ/ジョニーH・乱鬼龍)

過去の番組

レイバーネットTV第128号「オリンピックおことわりTV 平昌編」2018年3月28日(水)19.30〜20.50に放送。1、アリさんマークの引越社争議解決報告  2,特集「オリンピックおことわりTV 平昌編」 3,動画ニュース(森友疑惑追及デモなど)、でした。
2016年11月23日(水)放送、午後8時〜9時半。東京オリンピックおことわりTV「ウラ神宮さんぽ」。出演=アツミマサズミ・いちむらみさこ・首藤久美子・小川てつオ、ナビゲーター=平井玄、五輪いやオ。

おことわリンク学習会 映像企画 オリンピックと放射能~「復興五輪」という欺瞞

~ 福島第一原発事故は、90万テラベクレルという想像もできないほどの放射能を放出しました。 放射能という目に見えない脅威にさらされながら生活している人々や、その場所から避難した人々が大勢いて、福島の復興は進んでいるとは言えません。しかし、日本政府は住民を福島へ帰還させるために避難指示区域を解除し、モニタリングポストも大幅に撤去しようというのです。放射能は本当に人体に影響を与えないのか。日本政府が進める復興政策と「復興五輪」の関係は何か。NNNドキュメント「THE放射能 人間VS放射線 科学はどこまで迫れるか?」(2016.3.14)の取材・制作に携わった倉澤治雄さんから、映像も一部参照しながらお話をお聞きします。「復興五輪」と呼ばれる「2020東京オリンピック」の問題と放射能を考える学習会に、ぜひご参加ください

お話 倉澤治雄さん(科学ジャーナリスト、元日本テレビ報道局解説主幹)

日時 5月25日(土)13:15開場/13:30開始 会場 武蔵大学・1号館2F 1203教室

アクセス: 西武池袋線「江古田駅」徒歩6分、「桜台駅」徒歩8分、都営大江戸線「新江古田駅」徒歩7分、西武有楽町線「新桜台駅」徒歩5分

資料代 500円

主催 「オリンピック災害」おことわり連絡会

千代田区神田淡路町1-21-7静和ビル1 Aスペース御茶ノ水(ATTAC 首都圏気付)

info@2020okotowa.link http://www.2020okotowa.link fb.com/1378883338802691

ますます疑惑は深まった――竹田恒和JOC会長の賄賂疑惑

JOC会長の竹田恒和氏に対するフランス当局の捜査が再開されました。1月15日の記者会見で一方的に主張を述べただけで質問さえ受け付けようとしない竹田氏の態度に、海外マスコミを中心に「疑惑が深まった」と評される始末です。

おことわリンク結成集会で発言する谷口源太郎さん(2016年1月21日:杉原こうじさんのtwitterより)

今回の捜査再開にあたって、スポーツジャーナリストの谷口源太郎さんから、次のようなコメントを寄せていただきました。

(谷口源太郎さんのコメント)

「竹田恒和氏の贈賄事件について、一言。マスメディア(一部の週刊誌を除く)が意図的に触れないポイントがあります。それは、竹田氏と同じ慶応大学OBの元電通重役で、現在も電通への影響力を持つ高橋治之氏(2020東京オリンピック組織委員会理事)がコンサルタント(実際は、集票を狙った贈賄)に深く関わっていることです。高橋氏は収賄側のラミン・ディアク氏(国際陸連前会長、元IOC委員)と国際陸連関連のマーケティングなどを通してつながりがある。そうしたことから高橋氏が竹田氏にコンサルタント契約の話を持ち込んだ、との見方もあります。にもかかわらず、JOCの調査チームをはじめとして高橋氏への聞き取りをしたところはありません。元電通の大物で、竹田氏との親密な関係などを忖度して、意図的に触れないようにしているとしか考えられません。フランス司法当局が高橋氏にまで捜査の手を伸ばすかどうかが注目されるところです。とにかく、国内外でのオリンピックビジネスを独占する電通がマネーファーストの東京オリンピックをどこまで支配しているのか、その実態を徹底的に解明する必要があります。」

「竹田氏の贈賄事件で見落とせないのは、コンサルタント(企業、個人合わせれば数十と言われる)の暗躍を公認している国際オリンピック委員会(IOC)の、倫理を喪失し拝金主義に汚染された堕落ぶりです。今回の件は、IOCの一員である竹田氏が自ら倫理のなさを曝け出してしまったものと言えます。IOCがなぜコンサルタントの活動を認めたのか、その経緯と、コンサルタント活動の実態(贈収賄疑惑につながる集票工作など)を明らかにしていく必要があります。

 谷口源太郎」

オリンピックは拝金主義と国家主義のアンダー・コントロールで、頭のてっぺんから足の先まで腐りきっているようです。徹底した真相究明のためにも、マスコミだけでなく、スポーツ界、そして社会運動全体で大騒ぎしなければならないでしょう。

以下は、この事件について、『放送レポート』に連載している谷口さんの「スポーツとマスコミ」の記事からの転載です。この記事の最後に「カネで買った」といわれた98年の長野冬季五輪の話がでています。この件は谷口さんの『日の丸とオリンピック』(文藝春秋、絶版)の第三章「長野オリンピックの罪と罰」に詳しいです。

(以下、『放送レポート』2016年7月8日号からの転載)

「総崩れ」の東京オリンピック

谷口源太郎

スポーツとマスコミVol.152
「放送レポート」261号2016年7月8日掲載

カギはフランス当局の捜査

またまた招致段階での不正疑惑が噴き出し、東京オリンピックは、まさに総崩れ状態だ。なにしろ、その不正疑惑について日本オリンピック委員会(JOC)のトップ、竹田恒和氏が国会の混迷に追い打ちをかけるようかのように引っ張り出されるところまで、事態は紛糾している。

そもそも、IOCは、東京都を中心として進められる招致活動について指導、監督する立場にある。ところが、竹田氏は招致委員会理事長(会長は猪瀬直樹都知事)という要職に就き、指導・監督の立場を超えて招致活動にのめりこんだのだ。

周知のことであろうが、竹田氏に関わる不正疑惑の概要は次のようなものだ。

不正疑惑を暴く発端となったのは、イギリスの新聞『ガーディアン』が報じた、次のような記事だった。

<東京オリンピック招致に際して、招致委員会から開催都市決定に影響力を持つ人物の関係先に多額の金が振り込まれたことをフランスの検察が捜査している>

そして、フランスの検察東京も捜査事実を認める声明を発表した。その中で明らかにされたのは、招致委が訳2億3000万を振り込んだ先が、シンガポールにあるコンサルタント会社「ブラック・タイディングス社(以下BT社)」であること。フランスの当局は、その金が開催都市選定過程での汚職や資金洗浄に関わりがあるかどうかを確かめようとしていること、などであった。また、不正疑惑に絡んだ複数の人間の関係も明らかにされた。

BT社代表のイアン・タン氏は、国際オリンピック委員会(IOC)委員であった国際陸上連盟前会長ラミン・ディアク氏(セネガル)の息子・パパマサッタ氏と親交があった。この人間関係からフランス当局は、招致委からの金はディアク氏による集票を目当てにした賄賂であったのではないかと疑っているのだ。

疑惑晴らせないJOC会長

イギリスやフランスから突然の手が上がり、当時の招致委関係者はさぞかし慌てたに違いない。とりわけ、BT社とのコンサルタント契約にかかわった竹田氏は、かなり動揺しているように見受けられた。

BT社との契約についての竹田氏の発言内容に、その動揺ぶりが表れている。

5月25日付東京新聞朝刊に掲載された「東京五輪招致疑惑三つの疑問」という特集記事の中、竹田氏の発言の揺れが時系列的に分かりやすく取り上げられているので、引用させてもらう。

「契約は招致委の事務局が必要だと判断した。(BT社とラミン氏側との)関係は知らない」(5月13日)

「電通への照会で実績を評価して契約に至った」(同16日)

「(BT社とラミン氏とのつながりを)もちろん知った上での契約」(同18日)

「事務局から説明を受け、招致を進めるために必要だということで、私が契約書にサインした」(同24日)

契約の経緯について発言内容を次々と変えた上で、竹田氏自ら契約書にサインしたことを認めた。しかし、サインしたからには、当然知っているであろう内容については「守秘義務」を理由にして、説明を拒否している。

契約金の2億3000万円の財源は、民間からの寄付金や協賛金ということだが、国家プロジェクトとして意味づけられており、「守秘義務」といっても説明責任を免れるものではあるまい。

ましてや、フランス当局の捜査によって、その契約の違法性が明らかにされれば、竹田氏は決定的な窮地に追い込まれるであろう。

また、竹田氏は、不正疑惑にかかわる重要な点について明かしていない。それは、BT社からどのようなかたちでコンサルタント契約の話が持ち込まれたのか、という点だ。

手掛かりになるのは「電通への照会で実績を評価して契約に至った」という竹田氏の発言だ。

報道されているところによると、当の電通は、「招致委から紹介のあったタン氏を含む複数のコンサルタントに関し、知る範囲で実績を伝えた。しかし、契約には一切関与していない」と主張している。

ただ、電通は、イギリスの新聞などが指摘しているようにペーパーカンパニーの疑いの濃いBT社のどのような実績をどう評価したのか、明かにしていない。

その点で、スポーツ界やメディア関係者がこぞって口にするのは、元電通の大物の存在だ。

浮かび上がる元電通の大物

『週刊新潮』の5月26日号に「『五輪招致委員会』と怪しい電通」という特集記事が掲載されている。そのなかに、不正疑惑のもたれているコンサルタント契約に深くかかわっていると見られる人物として、元電通の高橋治之氏を取り上げている。

同氏について、記事にはこう記されている。「イ・アイ・イー・インターナショナル」の高橋治則元社長(故人)の実兄であること。

その高橋治則氏は、バブル時代に『環太平洋のリゾート王との異名をほしいままにしたものの、バブル崩壊後にはイ・アイ・イーが倒産した挙句、いわゆる二信組事件に絡んで背任横領で逮捕されるという、浮き沈み激しい「サ・バブル紳士」として知られた、という人物。

高橋治之氏について電通OBはこう話す。

「もともと資産家の上に弟からの金もあって、そりゃ豪勢だったよ。社長よりもいい車に乗って通勤したりしてね。電通内で『50億円を使って重役(専務)になった』とうわさされたこともあった。スポーツビジネスの世界で大きな力を持っていたのは間違いない。とくに日韓共催のワールドカップを招致した関係もあってFIFA(国際サッカー連盟)への影響力は大きかった。それに国際競技連盟についてもマーケティング契約をしていて深い関係があった。自家用の飛行機も持っていて、FIFAや国際陸連の幹部連をほとんど乗せているんじゃないかな」

ラミン・ディアク氏とつながりのあるのは高橋氏であり、同じ大学のOBという関係もある竹田氏にコンサルタント契約(実質は集票と思われる)の話を持ち込んだ、とみているのではあるまいか。

竹田氏が契約話を持ち込まれた経緯や契約内容について「守秘義務」を理由に口をつぐんでいるのは、高橋氏の存在を隠すためではないのか。とにかく、竹田氏が説明責任を果たさないためにJOCは、窮余の策として弁護士ら二人の調査チームによる事実解明に取り組む方針を打ち出した。

日本アンチドーピング規律委員会の委員長、同副委員長らが名を連ねているものの、しょせんJOCが選んだメンバーであり、どこまで真実を追及できるのか大いに疑問である。

加えて、どのような方法で、どれだけの範囲で、どれぐらいの時間をかけるのか、一切明らかにされていないことからも、不正疑惑に対するJOCの姿勢そのものが疑われる。

疑惑に火をつけた『ガーディアン』の報道を知ったとき、私はちょうど25年前、長野冬季オリンピック招致に関して「長野は金でオリンピックを買った」と海外メディアが大きく報道したことを想起した。拝金主義がオリンピックを支配する中で、大会招致合戦も大規模なマネーゲームの舞台に堕ちてしまっているのだ。

新年の講演会のお知らせ:1月5日スポーツとジェンダー/1月27日オリンピックを問う!

1月27日オリンピックを問う!誰のためのスポーツなのか〜市民参加への道

おはなし 谷口源太郎さん(スポーツ・ジャーナリスト)

オリンピックに代表される象徴されるエリートスポーツではなく、年齢や性差、身体能力のいかんにかかわらず、誰もがのびのびと体を動かすことができる地域に根差した市民スポーツの普及こそ、わたしたちのめざすべき改革への道ではないか。画期的とされた西ドイツ時代の「ゴールデン・プラン」を題材に、国家主義とビジネス・ファーストにまみれた現代スポーツを、私たちの側に取り戻す道を探るための学習集会です。

日 時:2019年1月27日(日)13:30(13:00開場)
場 所:小石川運動場・2階会議室(文京区後楽1-8-23)
交 通:飯田橋駅(大江戸線C2出口3分/メトロB1出口・JR東口7分)
    (警視庁遺失物センター隣)
資料代:500円

略歴:1938年、鳥取市生まれ。講談社、文芸春秋の週刊誌記者を経て、フリースポーツジャーナリスト。著書に「日の丸とオリンピック」(文芸春秋)、「スポーツを殺すもの」(花伝社)、「スポーツ立国の虚像」(花伝社)など。マスコミ九条の会メンバー。

★2020東京五輪災害おことわリンク
info(a)2020okotowa.link (@に変えてください)
http://www.2020okotowa.link/
https://www.facebook.com/okotowalink/
https://twitter.com/okotowa_link

終了したイベント

正月にもかかわらず多くの皆さんの参加で充実した集会になりました。ありがとうございます。

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1月5日スポーツとジェンダー・セクシュアリティ〜ナショナリズムと植民地主義の視点から〜

<2020東京五輪災害おことわリンク>
スポーツとジェンダー:2020東京五輪・パラリンピックの喧騒の中で

おはなし 井谷聡子さん(関西大学教員)

日 時:2019年1月5日(土)14:00〜17:00(13:30開場)
場 所:文京シビックセンター 地下1階 アカデミー文京学習室
交 通:地下鉄「後楽園駅」「春日駅」すぐ
    https://www.b-academy.jp/access/index.html
資料代:500円 (申込不要)
主 催:2020東京五輪災害おことわリンク

「より強く、より高く、より早く」ー五輪憲章にうたわれる言葉ですが、男性/女性、健常者/障がい者・・・に分けられ、「国家」を背負わされ、競わされるスポーツの中に矛盾はないのでしょうか?そこはまた、監督・コーチと選手という支配/被支配の関係の中でセクハラやパワハラという暴力が横行する世界でもあります。

一方で、「復興五輪」を喧伝しながら棄民化が進む福島をはじめとした被災地。東京では五輪のための巨大開発が進む中、そこに住む人々の排除が行われました。

ひと握りのエリートアスリートによる勝者と多数の敗者、踏みにじられる人々・・・、ジェンダーの視点から、オリンピックに象徴されるメガスポーツのビジネスイベントが、スポーツと人間のあり方にもたらす影響を考えることは、2020東京オリパラに反対する社会運動にとって必須のことではないでしょうか。

誰のための、何のためのオリンピック・パラリンピック?五輪が作り出す力の政治に対抗するスポーツと人間と社会のあり方をみなさんといっしょに考えたいと思います。

「オリンピックも戦争も自由貿易ももうたくさん。無限にでかさ、強さ、速さを競う時代ではもうない。そうした社会のゆがみや地球の環境破壊が示していることにいい加減正面から向き合わなければいけない。コンパクトに、自分たちの与えられた環境に適応したそこそこの生き方、社会のあり方を模索すべきだ」と言う井谷聡子さんから、スポーツとジェンダー研究における最先端のお話を聞きます。参加を!

◎井谷聡子さん(関西大学教員)
カナダのトロント大学博士課程を修了後、2016年から関西大学文学部英米文化専修で北米の身体文化とジェンダー、セクシュアリティに関する授業を担当している。専門分野は、体育・スポーツにおけるジェンダーとセクシュアリティ研究とクイア・スタディーズ。現在は、トランスジェンダーの選手のスポーツ参加問題と、スポーツ・メガイベントが引き起こす社会問題について研究を進めている。

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ボランティアを成績評価等に用いることは「ボランティア」の趣旨に反する反則行為なのでやってはいけません。

2018年10月17日に、下記の文書を文科省(スポーツ庁オリンピック・パラリンピック課)、国立大学協会、私立大学協会、私立大学連盟に提出しました。

文書をダウンロードする場合は上記の画像をクリックしてください。(PDF形式)


ボランティアを成績評価等に用いることは「ボランティア」の趣旨に反する反則行為なのでやってはいけません。

20181017

「オリンピック災害おことわり」連絡会

各高等教育機関の皆様

2020東京オリンピック・パラリンピック(以下東京五輪と略記)など公的なイベントに際して学生をボランティアとして動員することが当然のようにして各大学等高等教育機関(以下、大学等と略記)で実施あるいは計画されています。しかし、以下のような事案は、ボランティアの趣旨を逸脱した反則行為です。このようなことはなさらないでください。

1. ボランティア活動を成績評価に利用することは反則です。

2. ボランティア活動を履歴書等に記載することは反則です。

3. ボランティアを入学試験(書類審査、面接試験を含む)等の選抜の評価対象とすることは反則です。

4. ボランティアを事実上、大学等の行事として出席等を義務づけることは反則です。

5 上記の他、本人の自由意志を成績などで利益誘導してあたかも「自由意志」であるかのように偽装してボランティアをさせる取り組みは反則です。

 反則の根拠となるルール

「ボランティア活動や住民参加による福祉活動等,国民の福祉活動への参加を促進するに当たっては,活動の自主性,自発性及び創造性が最大限に尊重され」ること。(国民の社会福祉に関する活動への参加の促進を図るための措置に関する基本的な指針 厚生省告示第117号) 「ボランティア活動は個人の自発的な意思に基づく自主的な活動であ」ること。(厚生労働省、「ボランティア」のウエッブページ)

「一般的には「自発的な意志に基づき他人や社会に貢献する行為」を指してボランティア活動と言われており、活動の性格として、「自主性(主体性)」、「社会性(連帯性)」、「無償性(無給性)」等があげられる。」(厚生労働省社会・援護局地域福祉課「ボランティアについて」https://www.mhlw.go.jp/shingi/2007/12/dl/s1203-5e_0001.pdf

自分の意志で行う

ボランティア活動は、誰かに強制されたり、義務で行ったりするものではなく、自分の考えで参加したり、取り組むものです。

だからこそ、多様な問題に柔軟に取り組むことができ、人の心に働きかける力を持っています。     自分のためでない

ボランティア活動は他の人や社会のために取り組むもので、お金をもらうことや自分だけが満足することを目的とはしていません。 活動を通じて結果的に、活動する自分自身もさまざまなものを得ることができます。 」(全国社会福祉協議会の全国ボランティア・市民活動振興センター「ボランティアを知ろう」)

東京五輪のボランティアのホームページには上記のようなボランティアの原則についての記載がありません。ボランティアとはどのような活動なのかの説明もなしに「ボランティア」を募集していること自体が問題であると考えています。

上記で紹介したいずれのルールにおいても、ボランティアは自主性、自発性に委ねられるべきであることを大原則としています。学校の公式行事や授業、試験、成績等とボランティアをリンクさせることは、ボランティアの基本原則に反する重大な反則行為となります。成績等とリンクした活動は、本人の自発性や選択の意思に基づくという体裁がとられたとしても、本来の意味での自発性に基づくものとはいえず、利益誘導された結果、自発性を偽装したものであって、極めて悪質と言わざるをえません。また、大学等全体の環境として「ボランティア」に参加せざるえをえないような雰囲気が作られ、心理的にボランティアを選択させるような体制がとられることも自主性、自発性を損うものであって許されません。ボランティアをしてもしなくても成績等実質的な不利益だけでなく、心理的な不利益も被らないように配慮することが必要です。

 また、経済的に困窮している学生にとっては夏休みなどの期間は学費や生活費などを稼ぐための大切な期間でもあります。それを「ボランティア」によって奪うべきではありません。

そもそもオリンピックは、スポーツを利用したメガ・スポーツビジネス・イベントとしての性格が強く、その業務に携わることは、本来は無償のボランティアではなく、労働の対価としての報酬を得るべき性格のものです。それをボランティアという名前で公募することは組織的な詐欺行為に近く、それに大学等が荷担してよいのでしょうか。

 完全な自由意志を尊重する体制と環境づくりがなされなければなりません。ボランティアに参加しないからといって心理的なプレッシャーを受けることがあってはいけません。

付記 本団体については下記のブログをご参照ください。 http://www.2020okotowa.link/

フクシマとオリンピック(小出裕章)

元京都大学原子炉実験所助教の小出裕章さんがブログで「フクシマとオリンピック」を公開しました。

ブログでは本文の前に以下の前書きが掲載されていますので、あわせて紹介します。

以下小出さんのブログから


福島第一原発事故が収束できず、いまだに「原子力緊急事態宣言」も解除できないままです。
そんな中、東京オリンピックが開かれようとし、フクシマ事故に責任がある人たちは、東京オリンピックに人々の目を引き寄せることにより、フクシマ事故を忘れさせようとしています。
イタリア在住の知人(楠本淳子さん)から東京オリンピックに対する文章を書くように依頼され、書きました。
それを楠本さんが英語に翻訳もしてくれましたので、両者を公開します。
遠からず、楠本さんが世界各国のオリンピック委員会に、私のこの文章、そして楠本さんがお書きになる文章を送ってくださることになっています。

日本語             (PDF版はこちら)

英語(PDF)

10月14日:オリンピックの光と影―谷口源太郎さん いわき講演会

◇◆◇◆ オリンピックの光と影  
◇◆◇◆ 谷口源太郎さん いわき講演会 ◇◆◇◆
(PDFはこちら)
日時 10月14日(日) 13301600 (会場カンパ制)
場所 いわき市社会福祉センター いわき市平字菱川町1-3

共催 谷口源太郎さんのお話を聞く会 (携帯09095344478 斉藤)
           2020オリンピック災害おことわり連絡会 (おことわりンク)

【講演】
「オリンピックの光と影」
谷口源太郎さん (スポーツジャーナリスト/マスコミ九条の会)
略歴:1938年、鳥取市生まれ。講談社、文芸春秋の週刊誌記者を経て、フリースポーツジャーナリスト。著書に「日の丸とオリンピック」(文芸春秋)、「スポーツを殺すもの」(花伝社)、「スポーツ立国の虚像」(花伝社)など。マスコミ九条の会メンバー。

「聖火リレーの隠された歴史」
小倉利丸さん (「オリンピック災害」おことわり連絡会)

【特別報告】 
「原発事故と地元の現状について」
佐藤和良さん (いわき市議会議員) 

「アンダーコントロール」というウソとカネで買った2020年東京オリンピック・パラリンピックまで2年を切りました。いまだに原子力緊急事態宣言下にあるなか、酷暑の東京で命をすり減らすようにメダル獲得に駆り立てられるアスリートや、ボランティアという奴隷労働に従事させられる庶民を犠牲にして、IOCやJOCなどの「五輪貴族」やスポンサー企業だけが儲かるスポーツビジネスのメガイベントと化したオリンピック。障がい者のさらなる分断につながるパラリンピック。

「おもてなし」「アスリートファースト」「復興五輪」などのお題目も空しく、カネ儲けと国威発揚だけが優先されるオリンピックを長年にわたって観察・批判してきたスポーツジャーナリストの谷口源太郎さんと、五輪聖火リレーに隠された狙いを問う小倉利丸さんの講演会をいわき市で企画しました。

同じ日には、本番の聖火リレーを浜通りに誘致するために、小中高生も参加する模擬聖火リレーが、Jヴィレッジから出発し、いわき駅付近まで6号線をリレーが予定されています。東京電力と東京五輪はどれだけ被災地の人々に迷惑をかければ気が済むのでしょうか。講演会では地元からの疑問の声を共有したいと思います。

※「おことわリンク」は、東京五輪を私たちの日常に対する「災害」であると捉え20171月に結成したネットワークです。五輪災害おことわりの運動を国内外でリンクさせることを目指し、五輪東京開催を返上し、近代オリンピックの歴史に終止符を打ちたいと考えています。各種情報はhttp://www.2020okotowa.linkfb.com/1378883338802691などで。

 

 

2020年東京「放射能」オリンピック :IPPNW核戦争防止国際医師会議ドイツ支部キャンペーン

IPPNW核戦争防止国際医師会議ドイツ支部キャンペーンの呼びかけの日本語訳を転載します。

本文はこちら:https://www.ippnw.de/atomenergie/artikel/de/tokyo-2020.html

日本語版PDF

Tokyo 2020 Die radioaktiven Olympischen Spiele

2020年東京「放射能」オリンピック

2018年7月16日付

日本は世界各地からアスリートを招こうとしています。2020年に東京でオリンピックが開催されることになっているからです。私たちは平和でフェアなスポーツ競争を願うものですが、同時に大変懸念もしています。というのは福島県の県庁所在地でもオリンピック競技が開かれる計画だからです。野球とソフトボールの試合が福島市で開催されるということです。ここは原発事故のあった福島第一原発から50キロほどしか離れていません。2011年にはここで複数の原子炉事故が相次いで起き、放射能雲が日本と周辺の海を汚染しました。この災害と唯一比較できるのはチェルノブイリ原発事故だけです。

これによって生態系と社会は深く影響を受け、それらは日本ではまだ消滅していません。故郷を失ってしまったたくさんの家族、住民がこぞって避難して人のいなくなってしまった地域、汚染土を入れた何百万というフレコンバッグ、放射能で汚染された森林、川、湖。「通常な状態」などに日本は戻っていないのです。

事故を起こして破壊した原子炉もまだまだ危険が去ったわけではありません。今も変わらずここから放射能汚染が出続けています。海、空気、土の放射能汚染は日々増えているのです。大量の放射性物質は壊れた原子炉建屋に今もあるだけでなく、原発敷地にも屋外で放射性物質が放置されたままです。この状況では、もし次に大地震があった場合に人間と環境におびただしい危険を及ぼす可能性があります。放射線災害はまだ続いているのです。この警告はそして、当分解除されることがないでしょう。

2020年のオリンピックの日本での開催にあたり、IPPNWドイツ支部では国際キャンペーンを始めることにしました。私たちは、参加するアスリートと競技を見物する観客たちがフクシマ近郊で被ばくするのではないかと懸念しています。特に放射線感受性の高い妊婦や子供たちが心配です。

日本政府は、このオリンピック開催には最終的に120億ユーロかかると予測しています。しかし同時に日本政府は、避難指示解除後、故郷に帰還しようとしない避難者たちには支援金の支払いを止めると脅しています。

国際的に、放射線災害があった場合に住民は、自然放射線を除いて年間で1ミリシーベルトしか放射線を被ばくしてはいけないと規定されています。フクシマの帰還政策により帰還を促された地域ではでも、住民はそれより20倍も高い20ミリシーベルトまでの被ばくは我慢するように求められているのです。すでに村や町が除染された場合でも、森や山は放射線汚染を「貯蔵」する役割を果たすため、風や天気次第ですぐにまた汚染させれる可能性は高いのです。

この国際キャンペーンを通じて私たちはまた、世界中にまだ一つとして放射線廃棄物の最終処分場すらないことも改めて訴えていく次第です。原子力産業が残す猛毒の負の遺産を安全に保管できる場所はないのです。

オリンピックに対しては世界のマスコミが注目します。これを利用して私たちは、日本の脱原発の市民運動を支援し、世界的なエネルギー政策変換を訴えていきたいと思います。化石燃料と核燃料に別れを告げ、再生エネルギーへ向かわなければならないと訴えます。

キャンペーンでは、世界中の政治家がいかに軍産複合体と一緒になって政策を推し進めているか、より明確に指摘していきたいと思います。

IPPNWは放射能に汚染された地域にあたかも「日常生活」が戻ったような印象を世界に与えようとする日本政府に対しはっきり「ノー」を突きつけます。

このキャンペーン趣旨に賛同する個人または団体は、次のメールアドレスを通じてキャンペーンチームに連絡をくださるようお願いします。

olympia2020[at]ippnw.de