未分類」カテゴリーアーカイブ

日常生活を破壊する社会的災害としてのオリンピック―やめよう!の声をあげつづけよう

2020年10月23日 スタンディングアピール  小笠原博毅

みなさんこんばんは、小笠原博毅です。神戸大学で教員をしており、今年やるはずだった東京オリンピック・パラリンピックの開催の中止、オリンピックの廃止を訴えてきました。今日はメッセージを寄せさせていただく機会を頂戴し、どうもありがとうございます。また、月イチのスタンディングお疲れさまです。継続的な活動を諦めず続けていらっしゃる皆みなさんにリスペクトを表したいです。

中止が現実的な選択肢になっている

そして新宿南口をご通行のみなさんにも、ぜひオリンピックについて考えていただきたいと思います。このコロナ、人々のオリンピックへの意識を確実に変えました。それどころではない、もっと大切なことがあるということに、改めて気付かされたのです。1年の延期を経ても、また来年開催できるかどうかの保証などはありません。日本の状況ではなく、世界中の状況を見据えなければいけないはずだからです。東京大会そのものの中止は、決して非現実的な選択肢ではなくなっている。この間、そう考えざるをえない条件ばかりが出てきました。しかし、なかなかそうは問屋が卸さないというのがどうも現実のようです。一部の報道によりますと、12年後、2032年に再び東京でオリンピックを招致するという動きがあるそうです。今回作った施設等をそのまま維持して12年後にもう1回やろうという案が、どうも出ているようだというのです。

みなさん、あと12年なんですけど、これはどういうことかというと、いろいろ考えることが必要でしす。まず第一に、IOCの中でも東京や日本の政治家たちの中でも、組織員会の中でもいろんな混乱が起きているなということがわかると思います。何をどうしていいのかわからないんですよね。つまり答えがない。

これはコロナウィルスによっていろいろな制限を受けている我々自身の生活もそうなんですが、何が正しいのかわからない情況でやらなければいけないというふうに思い込んでいるイベントをやろうとすると、どうしても無理が出てくるわけです。

どこの街も本当はやりたくないオリンピック

そこで彼らが何を考えたかというと、先延ばしにしようと。それが一年延期の現実ですよね。ところがオリンピックそのものをもうあまりみんなやりたくないというか、オリンピックどころじゃないし、そもそもオリンピックをやることの何がいいのか、だれにとってそれが幸福をもたらすのか、そもそもだれのためのオリンピックなのかということが完全に失われてしまっています。

その証拠に、どこの街ももうあんまりやりたくないんですよね。オリンピックを招致するのが嫌だという街がたくさんあります。バッハ会長はドイツの方ですけど、そのお膝元であるハンブルクという港町があります。そこは2024年の次のオリンピックに向けての招致自体を、住民投票によってやめることにしました。じゃあどこになったかというと、パリですよね。パリはたぶん3回めかな、やるとしたら。その次、2028年はロサンゼルスですよね。ロサンゼルスも3回めですね。

ようするに、一度やったことがある大都会で、交通網も整備されていて、ある程度施設が残っているところじゃないともうできない。旨味みたいなもの、経済効果みたいなものが盛んに風潮されてきましたし、今でもそういうことを言う人がいますが、現実としてオリンピックというのは開催都市や開催自治体の負担にしかならないことがもう明らかになってしまっている。そこで今回東京を延期したものをもし中止してしまったとしたらじゃあどうなるか、これがとても微妙なことなんですけど、オリンピックがこんなに、なんと言うか盛り上がる、みんなオリンピックだよ、という国って日本だけなんですよね。というかほんとに日本だけなんですよ。IOCにとってみたらお得意さんなわけで、こんないろんな不都合やいろんな矛盾があるのに取り敢えずやろうよと言ってくれる国は他にないわけで、ここで重要なお得意さんを失いたくはない、だとしたら12年後のロサンゼルスのあとのオリンピックをやりませんか?逆に組織委員会やJOC(日本オリンピック委員会)もこの情況で無理にオリンピックを開いて、なにかあった時、例えば巨大クラスターが発生した時にそのツケを払わざるを得ない、マイナス評価を受けざるを得ない、そんなリスクをちょっと避けたいというのが正直なところだと思います。そうなってしまうと私たちはあとまた12年間もずっとオリンピックというものの影に怯えないといけない。怯えるという言い方が正しいかどうかわかりませんけど、オリンピックに対してずっと反対の声を上げ続けなければいけない。もし来年になったとしてもね、東京大会が成立したとしても、もちろんその後もオリンピックは続いていくわけですから、どこにいったってオリンピックはやめようという声は上げ続けなければいけないんですけども、我々の日常生活を破壊するような社会的災害としてのオリンピックというものが12年も先送りにされてしまうと考えると、ちょっと末恐ろしい気がします。まあこの報道がどこまで合ってるのかどうかというのはぼくもわかりません。証拠があるわけではありませんが、少なくともバッハ会長が来日するころには明らかになると思います。

ワクチン接種でオリンピックの構造が変わるわけではない

一つの根拠としては、みなさんもご存知のようにヨーロッパがいま大変なことになっています。未だかつてないほど感染者が増え、医療崩壊を招いてしまう国もたぶんでてくると思います。オリンピックというのはヨーロッパの貴族たちがつくったイベントですから、その中枢にいる人たちの都合がやっぱり最優先されるんですよ。あとはアメリカですよね。アメリカ大統領選挙が来週ありますけれどもアメリカの情況も決してよくないです。じゃあ来られる選手だけでやろうよ、というわけにはおそらくいかないんだと思います。そういうシビアな、非常に厳しい状況の中でおそらく決断がされるんだと思いますが、もう一つ気をつけなければいけないのは、オリンピックがもたらす様々な害悪というのをみんな背後において、ワクチンができれば大丈夫というような報道がたくさんあるということです。とにかくワクチンだ、ワクチンだ。関係者全員にワクチンをするんだとバッハ会長も発言していたことがあります。それもほんの一ヶ月前くらいのことですけどね。でもワクチンをしたからといって何も保障されないんですよね。ワクチンをしたからオリンピックで損をしないのか、そんなことはないわけです。オリンピックの構造そのものは何も変わらないし、ワクチンだってべつに効くかどうかわからない、万能ではない。

すでにインフルエンザの季節を前にして、たとえばインフルエンザの予防接種をしたから具合が悪くなったり、中には命を落としてしまう人もいるわけです。ワクチンをしたからといってその病気に掛からないという保障はどこにもないわけですよね。まるでワクチンがあればコロナウィスルに打ち勝った、ワクチンによってコロナウィルスを撲滅した、東京はその戦いになるんだというような、よくわからない全く論理的に整合性のない話がたくさんメディアに踊っています。

いわゆる専門家といわれる人たち、スポーツやオリンピックのことを研究している専門家といわれる人たちの数多くが、ワクチンがあれば大丈夫だと平気で我々に言ってきます。我々は専門家ではありませんから、ほんとにそのワクチンというものがどういうものかまだわからないわけですよね。治験もまだ終わっていないし、有効性もはっきりはわかっていないし、安全性に至ってはまったくその保障がない状態でワクチン、ワクチンという言葉が独り歩きしてしまっているのが、今の情況です。

百歩譲って、もしオリンピックというものがIOCのオリンピック憲章やオリンピックがいいと言っている人たちがいうように、国境や人種の枠を越えた人間の祭典なんだ、人間讃歌なんだということを、百歩譲って、千歩譲って受入れたとしても、安全性や有効性がよくわからないワクチンを関係者全員に接種してまで開くのであれば、それがほんとに人間讃歌なのか、人間を称えるお祭りなのか、ただの人体実験じゃあないのかというレベルに、もう来ていると思います。自分の体を本当に神経質にケアしながら日々戦っているアスリートたちだって、平気でワクチン打とうと思っている人は少ないと思います。アスリートだからこそ、慎重になるはずなんです。副作用や、ドーピング効果との関係はまだ全くわかっていないのです。

オリンピックがなぜ社会的災害なのか、検証と批判的な目を持ちつづけよう

もちろんワクチンがあるないということ以前にオリンピックはやってはいけないことですし、それによって利益を得るのはほんの一部の人たちです。私たち一般市民というのはなんとなく祝賀気分の中に巻き込まれて感動しただの、勇気をもらっただの、希望をもらっただの、と言うわけですが、感動や勇気や希望では明日生きるためのご飯は買えないですからね。感動や勇気や希望では、今だに仮設住宅に住むことを強いられている東北地方の人たちは普通の家に戻れませんからね。感動や勇気や希望では原発事故は防げませんからね。そこをもう一度基本に返ってしっかり考えたいんだけど、どうもコロナのせいにしてワクチン、ワクチンという言葉が独り歩きすることによって、なぜこのオリンピックがいけないのか、社会的災害なのかという部分が覆い隠されてしまっているような気がします。もう一度基本に返って、矛盾点や本当は隠したいけどボロボロ表にでてきてしまったことをしっかり見据えましょう。そういうものを一つ一つ検証して、潰して、批判的な目をきちっと持ち続けることが必要だと思います。

みなさん、ぜひこの機会に考えてください。最後までオリンピック反対とずっと言い続けていきたいと思います。よろしくお願いします。どうもありがとうございました。

(タイトル、小見出しは編集部のよるものです)

11.13集会 いまこそ中止だ 東京五輪!ごり押し五輪だ!Go To Hell!

日時 2020年11月13日(金)18:30開始 参加費500円

場所 文京区民センター 3A会議室(地下鉄春日駅、後楽園駅)

◎スピーカー

鵜飼 哲さん(オリンピック災害おことわリンク)

藍原寛子さん(ジャーナリスト、元福島県地方紙記者)

・連帯アピール 大利英昭さん(都庁職病院支部書記長)

・連帯メッセージ 谷口源太郎さん(スポーツジャーナリスト)

★ウェブ中継配信アドレス(レイバーネットTV協力) https://youtu.be/9QMgOF95wqQ

世界のコロナ情勢はその勢いを減じるどころか、ますます拡散しつつあります。そうした中で世界中のアスリートが集結するオリンピック・パラリンピックを来年7月に東京で開催することは無謀としか言いようがありません。 東京五輪招致時の賄賂疑惑が再燃しつつあるいま、それをもみ消すかのごとくに「東京五輪強行開催論」がJOCやIOCばかりでなく、新たな菅政権においても大手を振ってまかり通ろうとしています。 これ以上決断を先送りして、延期を決めた3月24日の時のようなコロナ感染の拡大を招いたり、税金をつぎ込むことはやめるべきです。 福島原発災害からの「復興」の演出のほかに、東京五輪はさらにもう一つ、コロナからの「復興」の演出が行われようとしています。それはいずれも虚構であり、現実逃避の一大イベントとして強行されようとしているのです。 11月15日のIOCバッハ会長の来日も、ごり押し五輪の強行開催を権威づけるセレモニーであり、私たちはデモで「オリンピックを廃止せよ」の声をあげていきます。

15日は新宿デモ15時から

11月15日(日)は反五輪の会との共催で14時に新宿東口アルタ前に集合し、15時からデモです。 中止決断はいま!原発事故のもみ消しとコロナ感染の拡大に拍車をかける東京オリパラは「災害」。東京にも北京にもパリにもロスにもどこにもいらない!

※マスクなどコロナ対策のうえ、ご参加ください。

主催 オリンピック災害おことわり連絡会(おことわリンク)
連絡先 080-5052-0270(宮崎)

http://www.2020okotowa.link/
https://twitter.com/link_notokyooly
https://ja-jp.facebook.com/okotowalink/
メールアドレスinfo@2020okotowa.link            

今こそ中止だ東京五輪連続行動(11月8日〜)

【11月8日】国際体操競技会への抗議アピール

時と場所:午前11時、原宿駅前、神宮橋集合

【11月13日】集会!鵜飼哲さん、藍原寛子さん他 (詳細はこちら)

時と場所:午後6時半、文京区民センター

【11月15日】デモ!

時と場所:午後2時、新宿アルタ前集合、デモ出発 午後3時(予定)

いまこそ中止だ!東京五輪11・13集会のご案内

11・13 集会/11・15 デモ * * いまこそ中止だ 東京五輪!

ごり押し五輪だ!Go to Hell !

スピーカー
鵜飼 哲さん(オリンピック災害おことわリンク)
藍原寛子さん(ジャーナリスト、元福島県地方紙記者)


世界のコロナ情勢はその勢いを減じるどころか、ますます拡散しつつあります。そうした中で世界中のアスリートが集結するオリンピック・パラリンピックを来年7月に東京で開催することは無謀としか言いようがありません。

東京五輪招致時の賄賂疑惑が再燃しつつあるいま、それをもみ消すかのごとくに「東京五輪強行開催論」がJOCやIOCばかりでなく、新たな菅政権においても大手を振ってまかり通ろう
としています。

これ以上決断を先送りして、延期を決めた3月24日の時のようなコロナ感染の拡大を招いたり、税金をつぎ込むことはやめるべきです。

福島原発災害からの「復興」の演出のほかに、東京五輪はさらにもう一つ、コロナからの「復興」の演出が行われようとしています。それはいずれも虚構であり、現実逃避の一大イベントとして強行されようとしているのです。

11月中旬のIOCバッハ会長の来日も、ごり押し五輪の強行開催を権威づけるセレモニーであり、私たちはデモで「オリンピックを廃止せよ」の声をあげていきます(11月15日[日]午後、都内。詳細が決まり次第Web等で告知します)。

中止決断はいま!原発事故のもみ消しとコロナ感染の拡大に拍車をかける東京オリパラは「災害」。東京にも北京にもパリにもロスにもどこにもいらない!

日時 2020年11月13日(金)18:30開始 参加費500円
場所 文京区民センター3A会議室(地下鉄春日駅、後楽園駅)
主催 オリンピック災害おことわり連絡会(おことわリンク)
連絡先 080-5052-0270(宮崎)

  

http://www.2020okotowa.link/

https://ja-jp.facebook.com/okotowalink/
メールアドレス info@2020okotowa.link

【声明第4弾】世田谷警察署は出頭要請・取り調べを断念しろ!

コロナ禍の東京五輪強行のための不当弾圧やめろ! 警視庁世田谷警察署がオリンピック反対運動を闘うAさんのテントに不当な家宅捜査(ガサ)を強行したのは半年前の2月18日のことでした。私たちはこのあからさまな公安主導によるでっち上げ弾圧を弾劾し、押収した物品のみならず奪いとった情報のすべてを返還・破棄するよう再三にわたり抗議申し入れを行ってきました。押収物は3月に「毛髪3本」以外すべて返還されたものの、半年が経過した今月、9月17日、世田谷署はAさんに対し二度目の出頭要請を送り付け、取り調べのため9月30日に出頭せよと執拗に要請してきています。

コロナ禍で7月開催が泡と消えた2020年東京オリンピック・パラリンピックが、いまだにしつこく1年後の開催を断念せず大きな批判を浴びている現在、反五輪の声を封じ込めたい警察によるAさんへの個人攻撃もまた、執念深くいまだに続いています。免状不実記載などという人々の生活実態にそぐわない「罪」をでっち上げ、ここまで執拗に捜査を続行するその背景に、風前の灯火となった東京オリンピックへの批判の声を上げる個人を痛めつけることで反対運動を黙らせようとする権力側の焦りが見え隠れしています。

世田谷署はこれ以上の出頭要請をやめろ!捜査・取り調べをいますぐ断念しろ!コロナ禍の東京五輪強行のための不当弾圧やめろ!動きがあり次第すぐにお知らせしますので最大限のご注目をよろしくお願いします。

2020年9月29日

反五輪の会 NO OLYMPICS 2020

2020「オリンピック災害」おことわり連絡会 

STANDING!STANDING!STANDING!STANDING!

今年予定の開会式が7月24日だったのでこれまで24日に実施してきましたが、来年の開会式の予定日は7月23日となっているので、今回以降、23日行動とします。

いまこそ東京五輪を中止に!という声を多くの人々に届けていきたいと思います。来年の7月23日を幻の開会式にできるように!

8月23日(日)17:00~18:00
新宿駅南口

あの大きなプラカードをまたまた掲げますので人手も必要です。
初めての方も大歓迎ですので、是非ともご参加ください。

23日集会宣言

中止一択!東京五輪 集会宣言
                                                                       (English)

 3月24日、東京オリンピック・パラリンピックの1年延期が決められた。新型コロナウイルス感
染が加速しつつある状況の中で、7月24日にオリンピックの開幕を迎えることなど無理であること
は明らかだった。しかし安倍政権やJOCなどは、ぎりぎりまで「完全な形での開催」にこだわ
った。そのことが新型コロナウイルス感染を拡大させる結果につながったことは間違いない。政
府は必要な検査体制を取ることに一貫して消極的であり、感染者をいたずらに増加させたが、そ
れもオリンピックをなんとか開催するためだったのだ。これこそまさに「オリンピック災害」
だ。

 7月5日に実施された都知事選挙では現職小池百合子が圧勝し、再選された。新都知事小池は
「第一にコロナ対策、そして第二がオリパラ開催」と当選決定後の記者会見で強調したが、大会
開催のために膨大なリソースが浪費され、コロナ対策のためのリソースが奪われることは自明の
理である。並立は無理だ。仮に東京や日本だけコロナが収まっても東京五輪は開催できない。メ
ダル大国のアメリカのコロナ状況は拡大する一方であり、医療体制や公衆衛生に不安を抱える地
域はこれから本格的な感染拡大が懸念されている。

 コロナ状況対策に相反する東京五輪は、延期ではなく中止されなければならない。

 これまでにも3兆円を超える経費がつぎこまれ、延期によって数千億円規模の経費増が見込まれ
るという。東京都・JOC・IOCは変更されたオリンピック開催都市計画を一刻も早く市民に
対して公開し、費用負担について明らかにすべきだ。

 オリンピック中止にかかる損失は、これまでオリンピックの準備を通じて、行政の協力も得た脱
法的な手段も使いつつ、社会的・公共的な資産を山分けにし、莫大な儲けを手にしてきた大手ゼ
ネコンやデベロッパー、情報・宣伝産業、オリンピックによって利益を得る利権団体すべての責
任で補填すべきだ。コロナ状況によって営業停止や活動休止に追い込まれ、困窮している中小企
業や個人事業主、この社会で生きる全ての人びとに対する経済的救済と、コロナ検査体制・医療
体制の圧倒的な拡充に、オリンピック資金のすべてを振り替えよ。無用なカネをこれ以上オリン
ピックにつぎこむな。まさに「オリンピックをやっている場合ではない」。

 開会式の縮小について放映権契約の観点から困難であるという見解をIOCは明らかにした。縮
小開催の模索が行われたとしても、最優先されるのがスポンサーの利益では、民意が東京五輪開
催から離れていくのも当然だ。中止すべきだという意見がいくつかのメディアによる世論調査に
おいて多数であることからも自明なように、東京五輪中止は多くの市民からも賛意を得られてい
るのだ。

 3月28日、私たちは郡山市で「聖火リレーと五輪災害」トークリレー集会を開催した。3月26日
にJビレッジから始まる聖火リレーは中止となったが、復興とはほど遠い福島の状況を、あたか
も復興したかのように演出する「復興五輪」の欺瞞を、私たちは福島の方々の怒りとの出会いの
なかで、あらためて再認識させられた。そしていま、「復興五輪」は「コロナからの復興」と都
合よく読み替えられ、再び偽装されようとしている。

 私たちは一刻も早く東京五輪の中止決定を求める。しかし、コロナ状況によって東京五輪が中
止になることだけを願っているのではない。様々な「オリンピック災害」をもたらす近代五輪は
「廃止」にすべきであり、今後の北京・パリ・LAと予定されている五輪も「中止」しかない。
コロナ状況で顕在化した五輪の醜悪さを世界に発信して、世界の「反五輪運動」と連帯してオリ
ンピック・パラリンピックを廃止に追い込もう!

 東京五輪は中止だ!中止! オリンピック・パラリンピックは廃止だ!廃止!

 No Olympics Anywhere in the World !

     2020年7月23日
                    中止一択!東京五輪 集会参加者一同

24日、申し入れとデモ

日本オリンピック委員会への申し入れ行動

申し入れの読み上げ (mp3ファイルです)

日本オリンピック委員会(JOC) 
 会長 山下泰裕 様

          東京五輪の即時中止を求める申入書

 3月24日、東京オリンピック・パラリンピックの1年延期が決められた。新型コロナウイルス感
染が加速しつつある状況の中で、7月24日にオリンピックの開幕を迎えることなど無理であること
は明らかだった。しかし安倍政権やJOCなどは、ぎりぎりまで「完全な形での開催」にこだわ
った。そのことが新型コロナウイルス感染を拡大させる結果につながったことは間違いない。政
府は必要な検査体制を取ることに一貫して消極的であり、感染者をいたずらに増加させたが、そ
れもオリンピックをなんとか開催するためだったのだ。これこそまさに「オリンピック災害」
だ。

 7月5日に実施された都知事選挙では現職小池百合子が圧勝し、再選された。新都知事小池は
「第一にコロナ対策、そして第二がオリパラ開催」と当選決定後の記者会見で強調したが、大会
開催のために膨大なリソースが浪費され、コロナ対策のためのリソースが奪われることは自明の
理である。並立は無理だ。仮に東京や日本だけコロナが収まっても東京五輪は開催できない。メ
ダル大国のアメリカのコロナ状況は拡大する一方であり、医療体制や公衆衛生に不安を抱える地
域はこれから本格的な感染拡大が懸念されている。

 コロナ状況対策に相反する東京五輪は、延期ではなく中止されなければならない。

 これまでにも3兆円を超える経費がつぎこまれ、延期によって数千億円規模の経費増が見込まれ
るという。東京都・JOC・IOCは変更されたオリンピック開催都市計画を一刻も早く市民に
対して公開し、費用負担について明らかにすべきだ。

 オリンピック中止にかかる損失は、これまでオリンピックの準備を通じて、行政の協力も得た脱
法的な手段も使いつつ、社会的・公共的な資産を山分けにし、莫大な儲けを手にしてきた大手ゼ
ネコンやデベロッパー、情報・宣伝産業、オリンピックによって利益を得る利権団体すべての責
任で補填すべきだ。コロナ状況によって営業停止や活動休止に追い込まれ、困窮している中小企
業や個人事業主、この社会で生きる全ての人びとに対する経済的救済と、コロナ検査体制・医療
体制の圧倒的な拡充に、オリンピック資金のすべてを振り替えよ。無用なカネをこれ以上オリン
ピックにつぎこむな。まさに「オリンピックをやっている場合ではない」。

 開会式の縮小について放映権契約の観点から困難であるという見解をIOCは明らかにした。縮
小開催の模索が行われたとしても、最優先されるのがスポンサーの利益では、民意が東京五輪開
催から離れていくのも当然だ。中止すべきだという意見がいくつかのメディアによる世論調査に
おいて多数であることからも自明なように、東京五輪中止は多くの市民からも賛意を得られてい
るのだ。

 3月28日、私たちは郡山市で「聖火リレーと五輪災害」トークリレー集会を開催した。3月26日
にJビレッジから始まる聖火リレーは中止となったが、復興とはほど遠い福島の状況を、あたか
も復興したかのように演出する「復興五輪」の欺瞞を、私たちは福島の方々の怒りとの出会いの
なかで、あらためて再認識させられた。そしていま、「復興五輪」は「コロナからの復興」と都
合よく読み替えられ、再び偽装されようとしている。

 私たちは日本オリンピック委員会(JOC)に対して一刻も早く東京五輪の中止を決定すること
を求める。
     
     2020年7月24日
                 中止一択!東京五輪 7・23集会参加者一同

2020/7/23日集会へのビデオメッセージ

パリからのメッセージ
ロサンゼルスからのメッセージ
ピョンチャンからのメッセージ
ジュールズ・ボイコフさんからのメッセージ
「オリンピック終息宣言」展からのメッセージ

(声明)オリンピック・パラリンピックの中止の早期決断で 原発災害、コロナ災害、五輪災害を生き延びよう  

                  2020オリンピック災害おことわり連絡会

  私たちは2020年都知事選の最大争点は、2020東京オリンピック・パラリンピック(以下、オリパラ)の開催の是非であると考え、各都知事選立候補者の立場が明確になるような項目立てのアンケートを連絡先が分かる候補者に送り、別紙のような回答をいただきました。現時点で中止を主張する候補者はおらず、各候補者に対してはオリパラに対する姿勢を問い直してほしいと思います。なお、現職の都知事である候補者は、連絡先を明記せず、質問を出すためのアクセス自体が困難であるという、市民の声を聞く姿勢に欠ける対応を取られており、Facebookにて質問を送りましたが回答はありませんでした。

◎ 原子力災害、五輪災害、そしてコロナ災害 わたしたちは、オリンピックは祝祭ではなく災害だと考えており、コロナ状況いかんにかかわらず、いつ、どこであっても開催すべきではないと考えています。また安倍首相の「アンダーコントロール」発言やJヴィレッジにおける高濃度放射能汚染土の隠ぺいなど、原子力緊急事態宣言下におけるオリパラの強行が、原発災害に苦しむ被災地の住民を五輪災害でさらに苦しめることになると考えています。わたしたちは東京の名においてこれ以上被災地の住民を傷つけたくありません。コロナ緊急事態宣言が解除された5月25日以降、日本全体の感染者数の半数の788人の新規感染者を数える「クラスター」となった東京が、オリパラ中止をこれ以上さきのばしすることで、コロナ災害をふたたび全国に拡散させるリスクが高まっているのです。原発も五輪もコロナもすべて、前東京都政がもたらした人災です。人災は人間の力で封じ込めなければなりません。

◎ 東京五輪の早期の中止決定を! 東京や日本だけでコロナが収まってもオリンピックは開催できません。世界五大陸すべての地域からの参加がオリパラの原則です。しかしメダル大国アメリカのコロナ状況は拡大する一方です。南半球やアフリカなど、医療体制や公衆衛生に不安を抱える地域はこれから本格的な感染拡大が懸念されているのです。とりわけ2016年のリオ大会の開催国ブラジルでは、感染者数が100万人を突破し、死者も5万人を超えています。当時のブラジル労働者党政権は、財政難のなかオリパラ開催を強行したことでさらに民衆の反感を買い、オリンピック閉幕10日後にルセフ大統領は罷免、「ブラジルのトランプ」と呼ばれる現在のボルソナロ大統領誕生に道を開いたといわれています。ボルソナロ大統領は「人はどうせ死ぬんだから」と公言してコロナ対策を取ろうとしていません。まさに五輪災害がコロナ災害を導いたといえます。

◎ 新都知事には一刻も早い中止決定とそれに伴う都民の税負担の回避を! 都民の皆さんにはこの観点から7月5日の都知事選挙への投票を検討されるよう強く訴えます!

                          2020年6月30日

中止一択! 東京五輪 7.23集会&24デモ

◎7.23集会 13:15 開場/13:30 開始

発言:

武田砂鉄 さん(ライター)    

「今、ニッポンにはこの夢の力が必要ではない」    

志葉 玲 さん(ジャーナリスト)    

「東京オリンピックで悪化、難民の迫害」

コメント:谷口源太郎さん(スポーツジャーナリスト)、江沢正雄さん(長野五輪反対運動) ビデオメッセージ:  ジュールズ・ボイコフさん(ジャーナリスト、元五輪選手。著者『オリンピック秘史』など)  ロサンゼルス、韓国、パリ、札幌 等、各地でオリンピック反対運動に取り組んでいる仲間より。  *コメント、メッセージは予定も含みます。

会場:日本キリスト教会館・4F 会議室

https://www.jcws.or.jp/houjin/access.html 資料代:500 円

◎7 月24 日(土・休)デモ  時間:17:30 集合/18:00 デモ出発 集合場所:日本オリンピックミュージアム(JOC)前

https://japan-olympicmuseum.jp/jp/access/

(地下鉄銀座線外苑前駅5分・国立競技場駅10 分・JR 千駄ヶ谷駅12 分)

*当日17:00 から集合場所にあるJOC に東京五輪中止の申し入れを行います。

*デモコースは、集合場所→新国立競技場→明治通り→表参道→原宿駅→五輪橋(解散)を予定。

[主催] 「オリンピック災害」おことわり連絡会

http://www.2020okotowa.link/  

千代田区神田淡路町1-21-7 静和ビル1A スペース御茶ノ水(ATTAC 首都圏気付)  TEL:080-5052-0270

大いなる危機としてのオリンピック

以下の文章は、6月24日のスタンディング行動に寄せられたメッセージです。タイトルは編集部がつけました。

阿部潔 (関西学院大学教員)

みなさん、こんばんは。今夜、「オリンピック災害おことわり連絡会」のスタンディングに、関西から電話で参加させていただく阿部潔と申します。どうか、よろしくお願いします。

今回、こうした貴重な機会を与えていただいたのは、4月末に出版社コモンズから刊行した『東京オリンピックの社会学──危機と祝祭の2020JAPAN』に関心をもっていただけたからかと思います。運動の現場、東京のストリートで、日々活動しておられる方々からお声がけいただいたことを、心より光栄に感じております。ありがとうございます。
この本では、2013年の招致決定以来、さまざまな「とんでもないこと」が東京オリンピックをめぐり生じてきたのに、結局のところ、ふと気づけば開催イヤー2020年を迎えていた。どうしてこんな「とんでもないこと」がこれまでまかり通ってきたのか。そのことは現代日本社会に見て取れるある種の「症候」、つまり、より根深い政治・社会的な病理の表れではないか。そうした視点から、東京オリンピックを分析しました。サブタイトルの「危機と祝祭」に込めた意味は、オリンピックという世界的なスポーツの祝祭が東京/日本にやってくるはずだったのが、今回のコロナウイルス騒動という危機によって残念なことに延期されてしまったということでは全然なく、むしろ逆に、多くの人が素朴に期待を込めて楽しみにしていた東京オリンピックというものの正体は、実は大いなる危機そのものにほかならない。そんな問いかけをしたくて、この本を書きました。

では、どうして東京オリンピックは危機なのか? 実はそれは、これまで私たち自身が目にしてきたことを思い起こせば、自ずと明らかです。新国立競技場問題、エンブレム盗作疑惑、招致活動での贈賄捜査、マラソン・競歩会場の札幌への突然の変更、などなど・・・・。そしてオリンピックイヤーを迎えた今年はじめ、コロナウイルス感染が各国に広がり予定通りの開催を危ぶむ声が世界中から湧き上がったにもかかわらず、最後の最後まで安倍首相、小池東京都知事、森組織員会会長ら東京オリンピック推進者たちは、7月に予定通り東京オリンピックを「完全なかたちで開催」することに頑なに固執しつづけました。ところが、3月になると態度を一変。結局、IOCバッハ会長と共謀のうえ、「新型コロナウイルスに打ち勝った証として」の東京大会を「一年延期」して開催することが決められた、という顛末です。

少し冷静に振り返れば、東京オリンピックをめぐる一連の出来事は、本当にもう「どうかしている」としか形容のしようがない。それぼどまでにおかしなことの連続でした。そして、多くの国民/都民は、それを知らないのではなくて、むしろ案外よく知っている。それなのに、いまだ東京大会の即刻中止・返上が世論として盛り上がってこない。ここにこそ、先に指摘したいま現在〈わたしたち〉が生きるこの社会の根深い病の「症候」が見て取れるのではないでしょうか。
拙書のなかでも分析しましたが、ここには人々のあいだに広く分かち持たれた独特の心性=メタリティが見て取れます。それを一言で言えば、どこかしらシニカルな態度と同居する「希望があることへの希望」ではないでしょうか。
多くの方に納得いただけるかと思いますが、2020年の東京オリンピック開催が決定してから、前回64年東京大会の成功物語が、メデイアなどで繰り返し取り上げられてきました。高度成長真っ只中の昭和39年に開催された東京大会が「輝かしい過去の栄光」として、きわてめノスタルジックに思い返される理由の一つは、今を生きる私たちの目には、当時の日本社会が希望に溢れていたように映るからです。つまり、敗戦から20年あまりしか経過していなかったにもかかわらず、日本経済は飛躍的な復興と発展を遂げ、当時の社会で来るべき未来はまさに輝いていた。そうした懐かしい「過去の日本」に想いを馳せつつ、他方で、今では失われてしまった「輝かしい日本」をもう一度をなんとか取り戻したい。別の言葉でいえば、21世紀を迎えて以降、「失われた20年」と言われてきた停滞の時代から、なんとかして抜け出して、かってのような「輝ける未来」に向けた希望を、もう一度実感したい。そうした「希望があること」に対する人々の切なる想い、つまり「希望への希望」とでも言うべきセンチメントとメンタリティが、さまざまな問題やスキャンダルにまみれていることを知っていながらも、それでもなおどこかしら東京オリンピックに期待を抱こうとする〈わたしたち〉の姿に見て取れるのではないか。そんな分析を本では試みました。

ですが、本書を描く終えて私自身がたどり着いた結論と立場を言えば、そうした「希望への希望」は現実世界の厳しさを直視することなく、いたずらに過去の栄光や日々メディアで繰り返される「日本人の凄さ」にすがるかぎりにおいて、現在直面している喫緊の問題を解決することには、なんら結びつかないと思います。むしろ、民族主義的でナショナリスティックなノスタルジーやナルシシズムといつまでも戯れているのではなく、〈わたしたち〉を取り巻く厳しい世界の情勢を冷静に見極めていくことこそが、一見遠回りのように見えても、実は未来に向けた希望を手に入れるうえでより確実な方法ではないでしようか。

その意味で、今回コロナウイルスの影響でオリンピックが「延期」となったことはひとつのチャンスだと思います。つまり、新型ウイルスという未曾有の危機に直面することで、人々が楽しみにしていたオリンピックという祝祭が、実は別なる危機であることが垣間見えた。そうだとすれば、これからの〈わたしたち〉がなすべきことは、いつまでもそうした金と権力にまみれた偽りの祝祭に期待を寄せるのではなく、今回のコロナ危機の中で懸命に生き延びようとしている人々のあいだに生まれつつある「連帯」に根ざした、その意味で困難の只中をサバイブするなかから生まれる希望にしっかりと根ざしたかたちで、来るべき未来と真の祝祭への想像力を育むことだと思います。これまでネオリベラリズムが喧伝してきたような、自己選択と自己責任だけをいたずらに強調し、他者を蹴落とす生き残りゲームへと駆り立てられるサバイバルではなく、だれもそこから逃れられない危機のもとで、それぞれが互いをリスペクトしつつ、たとえ微力であったとしても相互に支え合うなかで果たされる〈みんなの/みんなでサバイバル〉。そうした新たな希望の予兆を、今夜のスタンディングに集ったみなさん方はきっと、それぞれの仕方で感じておられることと思います。
あらためて言う必要もありませんが、一年後に延期された東京オリンピックはそうした希望の機会には断じてなりえません。なぜならば、これまで私たちが目にしてきたような数々の「どうかしている」有様こそが東京オリンピックの本来の姿であり、そこでは強い者たち/恵まれた立場の人々の恥知らずの自己利害だけが思い求められてきたからです。安倍首相たちがこの期に及んで恥ずかしげもなく口にする「新型コロナウイルスに打ち勝った証として」の東京大会開催というスローガンなどは、なんの根拠にも根ざさない妄言にすぎない。小池都知事が唱える「簡素化した」オリンピックの開催も、根本は同じです。オリンピック・ビジネスへの義理立てをなんとしても果たそうとする魂胆が見え見えの「簡素化」に、意味があるとは到底思えません。前回の都知事選で「オリンピック会場費用の根本的な見直し」を掲げて当選を果たしておきながら、実質的な成果をなんら残していない現職知事が今更どの面下げて「簡素化」などと言えるのか。良識ある多くの都民の方々には、およそ理解しがたいことでしょう。

みなさん、もうこんな出来の悪いホラーのような東京オリンピックという祝祭には、一刻も早く「即刻中止」との引導を渡しましょう。そのことは、もっとも直接に「オリンピック災害」を被る都民のみなさんや、「復興オリンピック」の名の下で更なる苦難を強いられてきた東北地方の被災者の方々だけでなく、この社会に生きるわたしたちひとりひとりの切なる思いであり、また果たすべき責務だと思います。きっと、そのようにして東京オリンピック反対・中止の声を上げていくことを通して、コロナ禍のもとで必死に生き延びようとしている「まつろわぬ者」たちの連帯が力強く生み出されていくに違いありません。

東京から遠く離れたここ関西の地で、非力ながら私はこれからも声を上げ続けていきたく思います。
今日は、拙い話に耳を傾けていただき、本当にありがどうございました。
もう決してオリンピックというホラーがやって来ることのない東京で、みなさんとお会いできる日を楽しみにています。

(フランスから署名要請)これまで以上にオリンピックに反対だ!

パリでオリンピック反対運動を行う仲間、NON aux JO 2024 à Parisがパリ五輪反対署名を開始しました!反五輪の会も賛同団体の1つになっています。

署名はパリの住民に限らず世界中から幅広く募るそうなので、ご署名、拡散、どうぞよろしくお願いします。

署名サイト(フランス語)

https://nonauxjo.org/petition/org/non-aux-jo/plus-que-jamais-non-aux-jo

署名方法。署名の趣旨(下記の日本語訳を参照してください)を確認して、サイト右覧のfirst name、last name、メールアドレスを記入し、今後の情報が欲しい場合は、「Je veux recevoir des informations de la part de l’Association Non aux JO 2024 à Paris:」の脇にあるチェックボックスにチェックを入れ、「SIGNER」をクリックしてください。 すこし待つと、ここで入力したメールアドレスに「Confirm your signature to our petition」というタイトルのメールが屆きます。このメールの本文にあるリンクをクリックします。これで署名が終了します。また、上記のチェックボックスにチェックを入れた場合は、同時に「Invitation to join list nonjoparis2024-info」が屆きます。日本語訳は反五輪の会のサイトから転載しました。

〈日本語訳〉

これまで以上にオリンピックに反対だ!

「かつての世界」の過ちを継続しながら、「これからの世界」に入るふりをすることなどできない。

私たちは2024年パリ五輪を中止しなくてはならない。

インフラ工事の遅れと新たな安全基準は、過去数十年の間に幾多の開催国を荒廃させてきたイベントの費用をさらに膨張させることになる。

当初70億ユーロ(8200億円)と見積もられた予算が守られることはないだろう。

さらに、仮に東京五輪が中止ということになれば、そのパリ五輪への財政的影響は甚大なものとなる。

私たちは健康、教育、住居、公共サービスに投資を行うべきだ。現在の経済・社会危機を鑑みれば、オリンピックなんぞに出費している場合でないことは明らかである。

制御不能なグローバリゼーションの象徴たるオリンピックは、環境そして種々の遺産にとっての脅威である。そして何よりも、少数の人々(スポンサー企業、不動産デベロッパー、ゼネコン…)の利益のための、これ以上続けることのできないとんでもない浪費である。

あらゆる分野からの賛同団体とともに私たちは、政府に五輪の中止を求める。

avec :

オリンピックがあることが「ノーマル」である社会に戻らない日を目指して

4月24日、緊急事態宣言下の東京駅前で 行った月例スタンディングは、 関西大学の井谷聡子さんから電話でアピールを いただきました。

月例のスタンディング、工夫しながら継続しています。 5月24日はいつもより早く午後5時から6時まで、東京駅丸の内口前です。

今月は名古屋から岡崎勝さんと1998年長野冬季五輪に反対された江沢正雄さんからアピール、その他オープンマイクでやります。 以下、井谷さんの発言です。(表題は編集部の判断によるものです)


関西大学の井谷です。声聞こえてますでしょうか?(聞こえてまーす:東京駅)こんにちは。

今日は大変な状況の中、みなさん反対する声をあげ続けるということで、いろいろ怖い部分もあると思うんですけれども、東京のど真ん中で、こうやって黙らされない、黙っていないぞ、という態度を示していただいているのは本当にありがたいと思います。と同時にみなさん、ホントに気をつけて活動なさってください、というのが、まず一つ目に言っておきたいと思ったことでした。

それから、すでにたくさんのいろんなことが言われていたり書かれていて、私が言えるのは何なんだろうと思うと、ホントに限られているんですけど、あらためて、もしかしたらもう繰り返し言われていることかもしれないけど、わたしがいま一番強く感じていることを今日話しておきたいと思いました。

◎学生には借金を、五輪には大金を

まず今週から私がいる関西大学でもオンラインの授業が始まりました。就職活動がすでに始まっていて、足元をすくわれる形になってしまった四年生たちにオンラインで話を聞いてみると、「ホントに大変だ」と。どんどんどんどん就職活動の先も見えないし、残りの授業も不安です。一年生のなかには、これからの4年間の授業費の足しに、あるいは教科書を買うためにやろうと思っていたバイトができないと真剣に心配している学生もいます。調査によっては大学生の13人に1人が、退学を検討しているというデータが出ていて、本当に恐ろしい時だと思いました。

そういう大学の現場にいて、若い人たちの将来に活かせるはずの費用について考えた時、オリンピックにかかる費用というものがどれほど大きいものなのか、と思います。これまでも、日本は病院とか医療に対する費用が削られてきました。これはもう完全にネオリベ政策の被害ですね。そして学生たちに対しては、奨学金といいながら、勉強するためのローンを学生に押し付けてきた国が、オリンピックのために莫大なお金をかけてきたということの弊害が、この一か月くらいで改めてはっきりしてきました。このことは頭のどこかで知ってはいましたが、こうやって目の前で学生たちの未来が崩壊していくかもしれないというときに、本当に改めて問題が大きいと感じています。

もうこの怒りはみなさんと共有していると思いますし、どういう言葉で話せばこの状況をつかみきれるのか、わたしはなかなか言葉をうまく見つけられない人なので、言葉を扱う職業にいる人間としては非常に苦しいところなのですが、人の言葉を借りながら、残りの部分にみなさんと共有したいことがあります。

◎資本主義とウイルスの拡散

アルンダティ・ロイというインドの作家、批評家、活動家の女性がいるんですが、ものすごく美しい文章を書く人で、このコロナの状況についてもいろんなことを発言をされています。以下はロイが指摘していることです。

最初に新型コロナウイルスが発生して、どんどん世界に広がっていった、そのなかで最初に打撃を受けていったのは資本主義社会でした。ウイルスは中国からその周辺の朝鮮半島、日本へ、反対側のヨーロッパにも広がり、アメリカから一周して、いまアフリカのほうが大変な状況になっています。このウイルスが増殖するために有利な条件、つまり人が集まり、早く移動し、物も人も動き続けて、接触も多い、そういう消費社会の中心になるシステム、貪欲な資本主義が生み出したグローバル資本主義社会をまさに有利な条件としてウイルスは拡大していっています。

◎無為無策の戦争屋たち

もちろんウイルスというのは資本主義やそれを構成する人間とは違って、明確な金儲けの目的などなく、ただ増殖することを目的として存在していますので、高度な医療技術とか科学技術とか、監視技術を持つ国でも、あっというまにコロナにやられてしまいました。さらに「コロナとの闘いは戦争だ」と例える政治家もいますが、これもアルンダティ・ロイが指摘していますが、戦争に一番強いアメリカが一番負けている。なぜか。

人間の存在が危機に直面するときは、資本主義のロジックとか武力とか科学技術とかの強者の理屈だけで戦おうとしても戦えない、それでは命は救えないということを、この新型コロナウイルスが改めて示してくれたと思います。だから資本主義のロジックでしか生きてこなかった世界は、その対処に戸惑って動揺しています。さらに命の切り捨てまで行っています。日本の安倍首相とかトランプ大統領の動揺ぶり、無能っぷりが、よくさらけ出されていますし、彼らが資本のロジック以外で動くことができないというのをよく見せてもらったとおもいます。

◎「五輪のある日常」に戻っていいのか

ロイが言っているのは、資本主義のエンジンである経済活動が破壊され、もくもくと煙が上がっているとき、経済界や政治家は必至でそれを治して、おんなじエンジンをふかして世界の破滅へと突き進もうとしている。ロイが問うのは、同じエンジンを修理したいのか、それともこれまでと違うエンジンをみんなで求めていくのかということです。今まさにことなる世界のために戦うとき、そういう分岐の時だと彼女は指摘します。私もそう思います。

まったく同じことがオリンピックにも言えると思います。産業社会、資本主義社会、帝国主義社会のなかで生み出され、その体現として広がり、グローバル化して、ものすごいお金を食いながら、ものすごい人を動かしながら、増殖してきたオリンピックですけども、これまで福祉に使えるはずだったお金、人々の幸せのために使えるはずだったお金を、毎回毎回、何千億円、何兆円という規模で浪費してきたこの「オリンピックがあるいつもの日常」が、本当にそれが戻ってきてほしいのかということなのです。いま私たちが戻ろうとしている「ノーマル」というのは何なのかを問いたいと思います。

そしてオリンピックが来るからいつもの日常や平和な暮らしが破壊されてきた人たちがいることを思い出してほしいと思います。コロナが来た、たいへんだ、生活が破壊された、ノーマルな生活に戻りたい、と言います。いやでも待ってください。オリンピックが来たことで、ノーマルな生活を破壊された人たちがいましたよね。そしてそれに対しておかしいという声をずっと声を挙げてきた人がいましたよね。今だったら、少しでもその声に耳を傾ける人が増えているのではないか、と私は期待したいと思います。

◎アンダーコントロール、再び

そして最後ですけれども、一年後に延期をされて、もうすでに森元首相なんかが、コロナから復活した世界を、コロナの収束をアピールする機会としてオリンピックが使えると言ってますよね。本当に恐ろしいことだと思います。これほどのパンデミックが一年で終わるはずがない。それは専門家でなくても、みんな肌で感じているのではないかと思います。

でもなぜそんなことを言うのか。今までのノーマルを続けたい経済界の人々が、感染の収束が終わらないことを恐れているからです。これはまったく福島のケースと同じだと思います。「アンダーコントロール」と言うことで、日本はノーマルに戻ったと、いつもどおりビジネスができる、さあみなさん来て消費して、お金を落としていってね、そのメッセージをもう一回オリンピックでやろうとしていませんか。

一年後に、さあ日本はもう収束したぞと、検査も十分にしていないのに宣言を出して、さあ世界はもう元に戻った、よし消費しよう、旅をしよう、どんどん二酸化炭素を出そう、これでいけますよという、そういうサイン、go back to normal , business open to the world again 、そういうメッセージに、このオリンピックがされてしまいそう、そしてそれをしようとするでしょう、この国もIOCも。

◎倫理観の欠如した五輪エンジン

でも、でもです。一年延期されたということは、直前に迫ってきたオリンピックと戦うチャンスも増えたということですよね。そしてオリンピックのある「ノーマル」な世界が、いかに人々にとってむごい世界だったのかということも、日本の中を見ているだけでも改めて感じる人が出てきたと感じています。

最近の研究では、今年から来年にかけて、世界だけでなく、医療体制が脆弱なアフリカ大陸で1000万人の感染者を出す可能性があるといわれています。アフリカには人工呼吸器が一台もない国もあります。国によっては人工呼吸器よりも副大統領の数のほうが多いという冗談のようで冗談でないことが言われてしまう。そういうところに今ウイルスが手を伸ばしているときに、一年後に「さあスポーツの祭りをやりましょう」と言う。倫理観の欠如です。そういうことに対して、オリンピックを動かしている人たち、そしてそのエンジンというのがものすごく恐ろしいものなんだということを、改めてみなさんに心に刻んでほしいと思います。

◎オリンピックの廃止へ

オリンピックを延期ではなく中止へ、中止ではなくIOCの解体へ。それに向けて闘う時間がまた一年与えられたと思います。

そこにいるみなさんも、また一年闘うのも大変なんですけどども、闘うチャンスをもらえたと思って、オリンピックがあることが「ノーマル」である社会に戻らない日を目指して私も一緒に頑張っていきたいと思います。

オリンピックにかける費用を日本国内だけでなく、いちばん苦しい人々に送りましょう。そしてオリンピックのない世界を目指していきましょう。

ありがとうございました。

万国の五輪労働者よ、団結せよ!

Covid-19の時代に、世界中の五輪アスリートたちが、五輪ケーキの分け前をもっとよこせ!と声を上げ立ち上がっている。

人生は短い。アスリートのキャリアはさらに短い。これが、大勢のアスリートが不正に直面しても沈黙を守ることを選ぶ理由の説明でもある。が、今、われわれは、多数のアスリートたちが次々と自ら声を上げるのを目にしている。

そんな例がたくさんあり、今オリンピアンたちは集まって、こう言っているのだ。IOCが、そのはち切れんばかりの金庫を開けて、分捕った物を、五輪を五輪たらしめているアスリート労働者たちと分かち合うべき時が来た、と。東京オリンピックを今夏開催するという考えにアスリートたちが公然と疑義を呈し始めた時、すでに彼らの持てる力の一端は見えていた。彼らが声をあげなかったら、まず間違いなく、五輪の延期はあのときには決まらなかった。

IOCが選手に提供している取り分はNBA、NFL、NHL、MLB、イギリスのプレミアリーグといった大きなスポーツリーグに比して極端に少ないという、最近発表されたオリンピック財政についての研究を受けて、アスリートの怒りが爆発した。 NBAなどがリーグ収益の40〜60%を選手に配分しているのに対し、IOCはたった4.1%をしぶしぶ出しているだけなのだ。

この、グローバル・アスリート提言グループとライアソン大学の共同研究の結論は「団体交渉は依然としてアスリートの生計改善のための唯一の有効な方法だ」というものだ。多くの五輪アスリートもそう考えている。2度の金メダルに輝く三段跳びの王者クリスチャン・タイラーはトロント・スター紙のインタビューの中でこう述べている。「アスリートに返ってくる分がどれほど少ないかを目にして腹が立つ。オリンピックはビジネスだ。繁盛しているビジネスだ。それでもって、われわれアスリートはその果実を味わえないというわけだ。これを見てわれわれはみな目を覚まさないと。」

(リオ五輪出場の英自転車選手)カラム・スキナーのツイート 世界の5大プロスポーツリーグは収益の40〜60%を選手に払っている。 オリンピック(年収>14億ドル)がアスリートに使うのは4.1%で、選手が独自スポンサーを得ることには時代遅れの制限を課している。オリンピックの価値を尊重しろ… (多くの選手が金銭的苦境にある中IOCが利益隠しをしているという英テレグラフ紙記事へのリンク

五輪に2回出場した中距離走のエマ・コバーンはこうツイートした。「愉快な事実:オリンピックで競技に出る選手がIOCから受け取る賞金、給料、ボーナスは零ドル(IOCは毎年140億ドルの収益を上げているというのに)。もう一度言う、オリンピック選手がIOCから受け取るのは零ドル。」

研究グループ自身の記録によると、IOCメンバーは事務支援として年7000ドルを受け取れることになっている。IOC役員の日当は900ドルとべらぼうだ。他のIOCメンバーは、ギリシャの元国王コンスタンティノス2世、オランダのウィレム・アレクサンダー国王、サウジアラビアのナワフ・ビン・ファイサル王子といった”名誉メンバー”も、経費として一日あたり450ドルを受け取れる。

一方、多くの五輪アスリートたちは暮らしていくのにやっとだ。この研究には、最近のカナダのアスリートたちは「平均で年15000ドルの支出超過になっているが、収入の4分の1以上は雇用によるもので、スポーツで得たものでない」とある。

米国では、2016年のリオデジャネイロ五輪の前、100人を超えるアスリートが費用を工面するため(クラウドファンディングサイトの)GoFundMeにページを開設した。オリンピックで儲ける者は確かにいるが、たいていそれはアスリート以外の人だ。

近年、五輪アスリートは年に5000ドルくらいを受けとっており、それはIOCの総支出の0.5%にあたる、ということもこの研究で分かった。研究報告は「IOCが超過の収益を還付、奨学金、トレーニングといった形で選手に再分配しただけで、選手の平均年俸は現在のレベルの2倍以上の11000ドルになる」としている。

予想通り、IOCは「オリンピックで得られた総収入の90%を、アスリートの支援および世界のスポーツの発展のために再分配している」と主張して、この研究に反論した。

この主張はひどく誤解を招くものだ。まず初めに、国際スポーツ連盟、各国のオリンピック委員会、その他の組織ーそれらの多くは必ずしも倫理的に模範たりうるところとして知られているわけではないーを通じてマネーロンダリングがされており、選手の懐に届く前にそうした組織が自分たちの分け前を各々取っている。

さらに、(オリンピック情報サイトの)インサイド・ザ・ゲイムズに掲載されたディヴィッド・オーウェンによる2013年から16年までの期間についての分析から、IOCがうるさく訴える90%という再分配率の数字には疑わしいところがあるとわかる。オーウェンはカテゴリー分けについていくつかおもしろいことを暴いている。オリンピックの”文化と遺産”に使われた金額は運営管理費として計上されるのではなく、あたかも選手へのなんらかの給付であるかのように”オリンピック運動の振興”に分類されている。 オリンピックチャンネルとキャンセル保険の経費はなぜか、”アスリートの支援および世界のスポーツの発展のため”のIOCの再分配に計上されている。

IOCの財務関係の数字は基本的な透明性を欠いているため、オーウェンは日間にも脚注の奥底まで深く潜って調べなくてはならなかった。結論はこうだ。

『ときには解釈の問題であるということは承知のうえで、情を交えず分析しようとする者には、再分配率90%という数字を正当化するのは非常に困難だと認めざるを得ない。OBS[オリンピック放送サービス]、オリンピックチャンネル、そして”文化と遺産”を含めて計算する心構えができていたとしても、だ。』

偉大なスポーツ記者ウィリアム・ローデンは最近こう言っているが全く正しい。「IOCはおそらく地球上で最も汚職がひどい組織のひとつだ。」汚職はあからさまな賄賂のかたちをとることもあるが、ひっそりと、合法化された汚職といった形で行われることもまたある。アスリートたちは五輪を五輪たらしめる労働を提供していながら、いつもいつも、五輪パイのちっぽけな一切れしか与えられない、というように。

ありがたいことに、五輪アスリートたちは政治的な会話に割って入った。再びアスリートたちが前に出ている。グローバル・アスリートとライアソン大学によるこの重要な報告は、オリンピックが、一方には世界のトップアスリートたち、他方には特権的な立ち位置から計算づくの搾取を押し付けているスポーツ貴族ども、という2分割のスクリーンのうえで繰り広げられているということを明らかにした。

五輪アスリートたちが団体交渉で多くを得られる、というのは本当だ。アスリート労働者たちが団結して力を強めれば平等へと大きく前進することができるだろう。

Dave ZirinはThe Nationのスポーツエディター。

Jules Boykoffは、オレゴンのパシフィック大学、政治学教授。オリンピックに関する4冊の本を執筆。最新の著作はNOlympians: Inside the Fight Against Capitalist Mega-Sports in Los Angeles, Tokyo.

原文 https://www.thenation.com/article/society/ioc-finances-study/

IOC宛に「要請 2020東京オリンピック・パラリンピック大会を中止してください」を送ります。賛同をお寄せください!!

要請の署名の呼びかけです。 3月31日締切です。

延期にした五輪の開催時期について、IOCが3週間以内に決めるようです。 ということで、五輪開催会場のある自治体をはじめ全国・全世界の五輪開催反対の思いを形にできればと思います。

賛同いただける方は、名前と都道府県・市町村まであると助かります。

◎署名とりまとめ先:2020オリンピック災害おことわり連絡会

 賛同/連絡アドレス:cancellation2020@gmail.com

 郵送の場合:東京都千代田区神田淡路町1-21-7静和ビル1階Aスペース御茶ノ水 (ATTAC首都圏気付)

※集まった賛同はIOCに提出するとともに、おことわり連絡会のサイトなどでも公表予定です。

(PDF版はこちら)


要請 2020東京オリンピック・パラリンピック大会を中止してください

国際オリンピック委員会会長 トーマス・バッハ 様  私たち、東京オリンピック・パラリンピックの開催都市である東京都民、および競技会場のある他の都市、そして東京五輪の開催に反対する人々は、貴委員会に対し、2020東京オリンピック・パラリンピック大会を延期ではなく、中止するよう求めます。

 日本では新型コロナウィルス被害は拡大の一途をたどっています。オリンピック開催地の東京都と、貴委員会の判断でマラソンの会場を移した札幌市を含む北海道が特に感染者の多い地域です。比較的気温の高い国での被害拡大も報告されており、オリンピック開催時期である夏になれば被害が収束するという保 証はありません。

 2011年に深刻な原発事故を発生させた東京電力は、本社をオリンピック開催地である東京に置いています。発電所の所在地は福島県ですが、電力はすべて東京のために使われていました。事故後の深刻な放射能汚染は東京にも及んでいます。チェルノブイリ原発事故に当たってウクライナ政府が制定したチェルノブイリ法の基準では、人口が集中し、大部分の競技が開かれる東京都東部のほとんどが政府による住民の特別な健康管理を必要とする区域に相当します。選手村所在地、またカヌー競技が開かれる沿岸地域の一部には、チェルノブイリ法で住民が希望すれば避難の権利が認められる区域と同等の汚染が存在する地 域もあります。

  私たちは、そもそもオリンピック開催が住民に強いる様々な生存権侵害の事例と同時に、このような事実を指摘し、東京へのオリンピック・パラリンピック大会の招致に当初から反対してきましたが、東京都はこうした声を聞くこともなく、放射能汚染の実態を隠したまま開催地への立候補を強行しました。ここに 来て 様々な問題が噴出していることは、当初の判断が誤っていたことを明らかにしています。日本政府は、原子力緊急事態を宣言したまま解除もしていません。

 原発事故に伴う放射能汚染の問題は解決に長い時間を必要とし、1〜2年の延期で状況が改善することはありません。事故は継続中であり、福島の人々は「五輪どころではない」という声をいまも上げ続けています。このような状況での五輪開催は、世界中から訪れる選手や大会関係者、観客の健康だけでなく、福島を切り捨てることになると懸念します。

  以上の理由から、私たちは貴委員会に対し、2020東京オリンピック・パラリンピック大会の開催を中止されるよう改めて求めます。

2020年3月31日

facebookでも公開しています。

拡散にご協力ください。

東京はいかにして2020年オリンピックを手中に収めたか

ヤン・フィリパン、アンティオヌ・ルジェ

「メディアパルト」、2020年1月12日

 フランス司法警察によって得られた資料は、国際陸上競技連盟元会長ラミーヌ・ディアク氏が、東京がオリンピック開催の座を射止めるために、2013年に国際オリンピック委員会に所属するアフリカ諸国の委員の投票の足並みを揃えさせたこと、他方で、彼の息子と関連のあるオフショア会社が、日本オリンピック招致委員会から230万ドルを受け取ったことを明かしている。

これは今や習慣である。リオ五輪の後の2020年大会は、来る7月24日東京で、汚職のしるしのもとで開会式を迎えることになる。2013年、国際オリンピック委員会(IOC)の投票の際の開催権付与は、フランス財務検事局(PNF)によって開示された膨大な刑事情報の対象となっている。

2018年12月、予審判事のルノー・ヴァン・リュインベク氏(のちにベネディクト・ド・ペルトゥイ氏が後任となる)とステファニー・タショー氏は「積極的買収」〔買収する側が主導権をとる買収:訳者注〕のかどで、2020年東京オリンピック招致委員会の元会長、日本列島で最も権力のあるスポーツ関係の高官の一人、竹田恆和氏の調査を開始した。三ヶ月後、彼は日本オリンピック委員会委員長および国際オリンピック委員会委員の役職を辞任することを余儀なくされた。

われわれが入手した情報によると、予審判事らは2019年3月、「受動的買収」〔買収される側が主導権をとる買収〕のかどで国際陸上競技連盟元会長ラミーヌ・ディアク氏の調査を開始したが、問題となっている複数の選挙における開催権付与のなかには2020年東京オリンピックが含まれている。

メディアパルト[この記事を掲載したフランスのインターネットメディア]は司法調査をもとにした未公開の資料群を参照することができたが、それらは、彼の息子パパ・マサタ・ディアク氏、通称PMDが受け取ったと推定される賄賂の見返りとして、ラミーヌ・ディアク氏が東京に有利になるように、議論で決定的な役割を果たしていたらしいことを明かしている。

パパ・マサタ・ディアク氏の側近の一人によって日本オリンピック招致委員会のために書かれた秘密裏の報告書は、IAAF〔国際陸上競技連盟:訳者注〕の会長が、国際オリンピック委員会のアフリカ諸国の委員たちが東京を支持するよう彼らの投票の「足並みを揃えさせた」ことを示している。2013年9月7日、投票の数時間前、PMD氏は彼の父に、アフリカ諸国の投票者たちがマドリッドに投票するのを阻止するために「休憩時間のあいだ」彼らを「閉じ込め」なくてはならないと書いている。東京の勝利の翌日、日本の広告代理会社電通の経営者は、ラミーヌ・ディアク氏に、彼が決定的な支持を与えてくれたことで賛辞を送っていた。

予審判事たちはこの努力が、投票の直前と直後に、東京オリンピック招致委員会からブラック・タイディングス社に支払われた230万ドルの見返りではないかと疑っている。司法調査によると、パパ・マサタ・ディアク氏はシンガポールに登記されているこのオフショア会社の「主要な受益者」である。

メディアパルトに尋ねられたPMD氏は、ブラック・タイディングス社とはいかなる繋がりもなく、自分はその「株主でもパートナーでもない」と主張している。会社は公式にはシンガポール人のコンサルタント、トン・ハン・タン氏に帰属している。

しかし予審判事たちは、タン氏がパパ・マサタ・ディアク氏の名義人であることを示す証拠を多数収集した。ブラック・タイディングス社の銀行口座の分析は、金銭の大部分は最終的にPMD氏の手に渡ったことを示している。二人の人物は他の複数の買収事件に関与しており、その中にはロシアによるドーピングのマネーロンダリング、2015年北京世界陸上選手権大会における開催権付与が含まれる。IAAFの一人の幹部は調査者たちに対し、タン氏はパパ・マサタ・ディアク氏の「アシスタント」だと語った。

彼らが知り合ったのは、タン氏が2015年大会の北京市招致委員会に加わっていた2009年である。IAAFの同幹部によると、PMD氏は次いでこのシンガポール人を日本の会社電通に紹介した。この巨大広告代理会社はIAAFのマーケティング権保有者だったが、マーケティングの権利をしばしばパパ・マサタ・ディアク氏に譲渡し、後者はこうして彼の父との合意のもと手数料を受け取っていた。タン氏とPMD氏はこのようにして、中国企業シノペックが締結した、2015年の北京世界陸上のスポンサー契約の交渉を一緒に行ったのだった。

だから2013年、電通はPMD氏とタン氏の特別な関係を知っていたのだ。この日本企業はまた利益相反の状況下にあった。東京招致の積極的な支持団体であると同時にIAAFと息子ディアクの特別なパートナーでもあり、父ディアクはオリンピックの開催権付与を決める投票者たちの一人だったのである。

2013年春、2020年東京オリンピック招致委員会は、トン・ハン・タン氏が代表を務めるブラック・タイディングス社から便宜提供の申し出を受ける。6月半ば、委員会会長の竹田恆和氏は電通の幹部の中村潔氏と会い、タン氏を雇用すべきかどうか尋ねている。

中村氏は彼にパパ・マサタ・ディアク氏の協力者〔タン氏:訳者注〕を熱心に推薦し、ディアク氏について「IAAFに対する影響力」を持った、「IAAFに所属するIOCのメンバーとコンタクトを取る」ことができる「非常に有能なロビイスト」であり「そのことは東京の招致活動にとって非常に有利になるでしょう」と述べている。

竹田恆和氏は説得された。彼はトン・ハン・タン氏と、ブラック・タイディングス社に230万ドルを支払うという交渉をした。最初の契約は95万ドルで7月25日に署名された。残金は東京がオリンピック招致を勝ち取ったときに限り支払われることが口頭で合意された。竹田恆和氏は日本の招致委員会の調査員たちに対し、タン氏とパパ・マサタ・ディアク氏の繋がりは全く知らなかったと明言している。

契約の署名の直後から、ディアク親子は東京の招致活動に有利になるように尽力した。作戦は2013年8月、IOCのメンバーが多数出席するモスクワ世界陸上世界選手権大会のときに始まった。8月9日、ラミーヌ・ディアク氏は竹田恆和氏をホテル・ラディソンに迎え、自分の東京支持を表明した。

招致委員会会長は、モスクワでラミーヌ・ディアク氏から彼の息子を紹介されたことを認めた。IAAF代表の手帳にはそのうえ、8月16日、パパ・マサタ・ディアク氏と中村潔氏――招致委員会にブラック・タイディングス社への協力要請を助言した電通の幹部――との会合の記載がある。

「休憩中に閉じ込めなくてはならないよ」

2013年9月2日、投票の5日前、パパ・マサタ・ディアク氏は彼の父に、日本の招致委員会から届いたばかりの報告書を添付したメールを、「昇る日〔Soleil Levant日本のこと〕」と題して送った。この資料は東京が説得したと考えている投票者の数を大陸ごとに詳述し、日本が「助力を要する」IOCの6人のメンバーをリストアップしている。

9月4日、パパ・マサタ・ディアク氏は、アルゼンチンのブエノスアイレスに飛んだ。そこでマドリッド・イスタンブール・東京のなかから開催地が決められることになっていたのだ。9月6日、投票の前日、ル・モンド紙が明かしたように、ラミーヌ・ディアク氏はアフリカ諸国の投票者たちが10人程集まる会合に出席し、彼らに自分が東京を選択していることを告げた。「一人ずつ順番にコメントしていきました。誰も反論しなかったので、私は彼らが全員東京に同意していたのだと思います」と、IAAFの会長はヴァン・リュインベク判事に表明した。

9月7日、投票の数時間前、パパ・マサタ・ディアク氏は彼の父に、IOCの最も影響力のあるメンバーの一人、クウェート人のアハマド・アル=ファハド・アル=サラーフ氏の介入を知らせるためのメールを書き送った。「アハマド師はアフリカの人々にマドリッドに投票させるため手を尽くそうとしているらしい!!! 休憩中に閉じ込めなくてはならないよ。」

東京は第一回投票で42票、第二回投票でイスタンブールの36票に対して60票と、容易く選挙に勝利した。翌日、電通の社長は早々にラミーヌ・ディアク氏に対し、この勝利で決定的だった彼の支持に謝意を表した。この賛辞のメールは示唆的である。それは電通からパパ・マサタ・ディアク氏に送られたのであり、後者は自分の父にそれを送付するとき、彼の名義人と推定され、招致委員会に雇用された会社ブラック・タイディングス社の経営者でもあるトン・ハン・タン氏にも、カーボン・コピーで送付しているのである。

東京が勝利したことで、ブラック・タイディングス社は予定されていた謝礼の残金、すなわち137万ドルの支払いの権利を得た。新しい契約が2013年10月4日、招致委員会会長の竹田恆和氏によって署名された。公式にはこの金銭は、投票結果を分析した報告書作成の見返りとされている。
「日本の調査委員会が指摘したように、実態として2度目の契約は、IOCの賛成票を得たことと関連した追加報酬を覆い隠すための隠れ蓑に他ならない」と、メディアパルトが参照した資料のなかで、予審判事たちは書いている。それは実際、日本オリンピック委員会によって委任された調査者たちに、招致委員会の専務理事補佐が表明したことだ。

2度目の契約という名目のもとブラック・タイディングス社によって作成された報告書は、それでもなお教えるところが多い。この資料は「ラミーヌ・ディアク氏がアフリカ諸国の投票の足並みを揃え東京を支持した」ことを示し、「2013年3月にはアフリカ諸国の何人かのメンバーはイスタンブールを支持していたが、彼ら全員がディアク氏の立場を見て東京に選択を移すよう促されたことまでが明示されている」と予審判事たちは書いている。

メディアパルトが接触したラミーヌ・ディアク氏、パパ・マサタ・ディアク氏、そして竹田恆和氏は、われわれに回答しなかった。電通はわれわれに、便宜の提供を申し出た「複数のコンサルタント」に関して招致委員会に意見を伝えたと述べたが、それ以上の詳細は明かさなかった。2017年、フランスの判事たちの要請に従い日本の検察官たちの事情聴取を受けた竹田恆和氏は、当時ブラック・タイディングス社の報告書は読まなかったが、それが「IOCのメンバーがどの都市の立候補を支持していたかという具体的で貴重な情報」を含んでいるという情報は得ていたと主張した。それを読んだ後、招致委員会会長はこの見解に心を固め、「招致委員会がブラック・タイディングス社と結んだ追加のコンサルタント契約は有意義なものであった」と評価する。

いずれにせよそれはパパ・マサタ・ディアク氏とトン・ハン・タン氏に大変な利益をもたらした。招致委員会から230万ドルを受け取った後、ブラック・タイディングス社は、セネガルの複数の銀行口座を通じてPMD氏に54万7千ドルを再配分した。同社はまた12万6千ユーロのポルシェを購入し、セネガルの某公証人に23万ユーロを振込み、息子ディアクが使った旅行代理店に6万5千ユーロを支払い、ドバイの某宝石店の7万2千ドルの請求書を清算した。トン・ハン・タン氏は彼の取り分としてブラック・タイディングス社に14万ドルを受け取った。

日本オリンピック委員会(JOC)が慌てて要請し、二人の弁護士と一人の会計士によって行われた2016年の調査は、ブラック・タイディングス社との契約が合法的なものであったと判断した。なぜなら招致委員会の幹部たちは、この会社がIAFF会長の息子と繋がっていたことは知らなかったと表明したからだ。従ってこれらの支払いは、場合によっては「私的買収」にのみ該当する可能性があるが、これは日本列島の法律では処罰されないのである。

日本の司法当局は同じ結論に達した。したがっていかなる捜査にも着手せず、フランスの判事たちが要請した調査も、当事者たちの任意の協力によって、強制力を用いずに行われた。

2013年9月に東京が勝利した後、招致委員会は解散した。それは普通のことだ。しかしその幹部たちは入念な後始末を行った。JOCの調査報告書によると、「必要不可欠な情報」を除き、パソコンに記録された全情報は、「紙の全資料」同様に「破棄」された。次いで、「各個人のパソコンは外部の営利業者によって破棄された」。念には念を入れるに越したことはない、というわけだ。

ブラック・ボックス

われわれは、事件の中心人物たちに詳細な質問のリストを書面で送った。

ラミーヌ・ディアク氏の弁護士ウィリアム・ブルドン氏は、彼の顧客はわれわれに回答できないだろうと表明した。なぜなら彼は月曜にパリで始まる、ロシアのドーピング事件についての訴訟準備にかかりきりになっているからだという。

ワッツ・アップ〔メッセージアプリ:訳者注〕で接触したパパ・マサタ・ディアク氏は、われわれに回答しなかった。

竹田恆和氏のフランス人弁護士ステファヌ・ボニファシ氏は、彼の顧客にわれわれの質問を伝えたと告げた。竹田氏はわれわれに回答しなかった。

日本のグループ電通はわれわれに次のような回答を送ってきた。「当時〔2013年の投票前:編集部注〕、2020年東京オリンピック招致委員会はわれわれに、委員会に便宜の提供を申し出ている複数のコンサルタントに関していくつかの質問をしてきました。われわれは当時持っていた知識をもとに、そのコンサルタントたちに関するコメントを行いました。」

2020年東京オリンピック招致委員会は解散しているので、われわれは東京オリンピック組織委員会に質問を送ったところ、彼らは以下のような回答をよこした。「組織委員会は招致委員会の活動の詳細を知るためのいかなる手段も持たず、したがっていかなるコメントもできません。」

国際オリンピック委員会(IOC)はわれわれに回答しなかった。

出典:

Mediapart, YANN PHILIPPIN ET ANTTON ROUGET “COMMENT TOKYO S’EST OFFERT LES JEUX OLYMPIQUES 2020”

コロナウィルスは、なぜ東京2020大会が中止されるべきなのかを暴露する

東京オリンピックはとっくに安全ではなかった。いまやもっとそうだ。

Dave Zirin(The Nation),Jules Boykoff

2020年のオリンピック推進の看板で飾られた東京都庁近くの横断歩道を渡る人々。 (Jae C. Hong / AP)

アニメは予言になれるだろうか?1988年の日本の古典アニメ『Akira』は、東京が2020年のオリンピック開催地になることを予測した。あるシーンには「オリンピックまであと147日」と書いた看板が出ていた。その真下には誰かが「中止だ中止」と殴り書きした落書き。今東京夏季オリンピックまでだいたい140日ある。大会の中止、あるいは延期は現実の可能性となっている。新型コロナウィルス・COVID-19が出現したからだ。

スタンフォード大学教授イヴォンヌ・マルドナード言ったように、オリンピックで『大勢の人間を集める。それから集めた人たちを世界中に送り返す。これは感染を広げる完璧な方法だ。』この感染症専門家はさらにこう言っている。『本気で病気を広げたいなら、これこそが取るべき方法だ。』

少なくともIOCの委員の一人、カナダのディック・パウンドは同感のようだ。AP通信のインタビューで彼は、IOCはおそらく5月末までには東京大会を開催で進めるかどうか決断する必要があるだろうと言って、警報を鳴らした。『そのころにはこう問わなくてはならなくなるだろう。われわれが自信を持って東京に行けるだけの十分なコントロール下にあるだろうか、とね。』日本のオリンピック担当大臣橋本聖子は今週、大会延期というアイデアを提示したが、これは今や可能性としてオープンになったものの、非現実的でもある。延期すると、米国の大学、NFLの秋のフットボールの日程に食い込んでしまうからだ。NBCはオリンピックに数十億ドル投じているー2011年、2020年までの放映権に44億ドル、それから2032年までのオリンピックに77億ドルというべらぼうな額を払っているー以上、大会は開催されるべきだと言い張るのは間違いない。世界的パンデミックにならない限りは。

しかし実際、大会はコロナウィルス流行のとっくの前に中止されるべきだったのだ。特に、オリンピック主催者と日本政府内の協力者たちに人々の健康への配慮があったなら。東京大会主催者たちはオリンピックを、2011年の地震、津波、福島第一原発のメルトダウンという3重災害からの”復興モニュメント“でいっぱいの『復興オリンピック』と名づけた。彼らは、”被災地”がオリンピック選手を支援し、それを世界が”応援する”という称賛の輪を描いた、おかしな図までつくりあげた(下記の画像)。お返しに”世界”は感謝を表明し、それを被災地を”応援する”。(この画は今日までウェブサイトに載っていた。)

これはもちろん、純然たるPR用のデタラメだ。筆者たちは2019年7月に福島を訪れ、福島はオリンピックの道具に使われたのだ怒る地元の方々と話をした。放射能まみれの土を詰めたプラスチックの大袋でできた”ブラック・ピラミッド”を見た。オリンピックに注ぎ込まれた大金ー政府の監査によると260億ドルほどだ、元は東京オリンピックは73億でできるとしていたのにーを使えたに違いない打ち捨てられた家や商業施設を見た。

オリンピックのドンたちは福島の住民たちに対して、物質的な支援ではなく、単なるシンボル的なものを提供しただけだ。来月聖火リレーが福島を出発地にして始まる。グリーンピースがこのほど聖火リレーのルート沿いに放射能ホットスポットがいくつかあることを暴いたという事実にもかかわらずだ。野球とソフトボールの試合も福島で行なわれる。つまり『復興五輪』という呼び名が残酷なジョークになっているのだ。関西大学のスポーツ・ジェンダー・セクシャリティ研究教授井谷聡子が筆者たちに語ったように『このオリンピックは文字通り、資金、労働者、クレーンを一番必要な地域から奪っている』。

独裁志向のある政治家たちはコロナウィルスで得をしたかもしれない。公衆衛生上の危機は無制限の独裁へのレシピになりうるからだ。日本の首相安倍晋三は長いこと、ブルームバーグニュースの表現を使うと”不穏な独裁的パターン“を示してきた。安倍晋三は頑として、東京オリンピックを延期する必要はないとしているが、ここには”うそつき総理”の力学が働いている。何しろこの首相は、東京がオリンピック招致を目指していた2013年、福島のことでピリピリしていた投票権のあるIOCの委員たちに、状況は『アンダーコントロール』だと言った男だ。全然そうではなかったというのに。安倍や他の政治家が「コロナウィルスはオリンピックに影響しない」と言うのを聞くと、多くの人の耳には、これまであの連中が吐いてきた空虚な約束のこだまが聞こえるのだ。

たとえ中止になったとしても、東京オリンピックはすでに損害を及ぼしたということを知っておかねばならない。オリンピック施設建設のために毎日人々が住み処を追われている。これは元に戻せない。福島ではインフラ整備のために人々が働いた。彼らはすでに被曝している。

開催地を以前開催した都市に変更するのはどうか。ロンドン市長候補の一人ショーン・ベイリーは、ロンドンでの開催を提案した。しかし、2012年に使われた競技会場の多くはもうなくなっており、選手村として作られたアパートにはもう住人がいる。2016年大会の開催地リオは明らかにだめだ。競技会場は多少ないしひどくボロボロで、国は、五輪憲章に謳われる気高い原則には全く一致するところのない右翼ヘイト風景の泥沼に沈んでいる。そしてリオの住民(カリオカ)は、自分たちの街にオリンピックが戻ってくることには関心がない。IOCが五輪後リオに残された費用負担の精算に力を貸さなかったことで、リオはIOCに苦い思いを抱いている。

オリンピックが中止された場合の日本経済へのマイナスについては、害はもう発生していると言えよう。立ち退きに加え、オリンピックで、選手村を建設したデベロッパーはとんでもない安値で土地を手に入れたが、ウィルスも中止もこれを変えられない。壁に書かれている。日本のためにオリンピックを中止する理由はやまほどある、と。コロナウィルスはそれを暴いただけだ。

——————–

著者について

Dave Zirin, The Nationのスポーツエディター。

Jules Boykoff、Pacific University in Oregonの政治学の教授、オリンピック競技に関する4冊の本の著者。四月に、ロスと東京のオリンピックを取り上げたNOlympians:Inside the Fight Against Capitalist Mega-Sportsを出版予定。

出典:The Coronavirus Exposes Why the Tokyo 2020 Olympics Should Be Canceled

https://www.thenation.com/article/society/coronavirus-tokyo-2020-olympics/

本文のリンク先は全て英語になります。

(飜訳:おことわリンクによる本文のみの仮訳です)