2030札幌冬季五輪を止めよう!招致に反対する全国・全世界共同アピール

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2030札幌冬季五輪を止めよう!招致に反対する全国・全世界共同アピール

 2021年夏、世界的なコロナ・パンデミック下で開催された2020東京オリンピック・パラリンピックは、私たちの社会に深い傷痕を残しました。IOC(国際オリンピック委員会)は絶対的な決定権を持ち、人の命よりも「カネ」が支配する五輪開催を強行。IOCの利権を最優先にした圧倒的なオリンピックの政治です。原発事故からの「復興五輪」を掲げて「アンダーコントロール」という大嘘で招致した日本政府の責任も甚大です。「嘘」だけではなく2.3億円もの賄賂でもって招致は勝ち取られました。元IOC委員ラミン・ディアク(12月3日に死去)に対する贈賄疑惑は濃厚でフランス当局が竹田前JOC会長を捜査中、2016年リオ五輪の組織委員長は同じ相手に対する贈賄で11月末、ブラジル連邦裁判所から禁錮30年11ヶ月の判決を受けました。IOC、日本政府に加え開催都市東京都、JOC、大会組織委員会の五者が共犯した東京オリ・パラの残した腐敗と荒廃の後始末がこれから先ずっと日本社会に押し付けられます。暗澹たる思いです。

 あり得ないことに、その「ツケ」の大きさも定まらない中で、2030冬季五輪への札幌開催招致が目論まれています。招致を目指す札幌市は11月29日、既存施設の活用などで当初予算の経費を最大900億円圧縮し約3000億円とするとの新たな大会概要案を公表しました。運営費はIOC負担金とスポンサー収入、入場経費等で賄い、税金は投入しないと言います。すでにここでも「嘘」は発揮されています。東京五輪の経費が当初予算の7340億円の倍以上1兆6440億円に膨れ上がったこと、実際には3兆円以上の巨大なカネがほぼ税金で賄われたと言うことは周知の事実です。コロナ・パンデミックの深刻な状況の中、日本国内の世論は8割以上、そして世界中でこの無謀な五輪開催強行に批判の声が上がったことを忘れてはいけません。IOCが開催都市と結ぶ開催都市契約ではIOCが絶対的な権限を握り、開催都市は「カネは出しても口は出せない」と言う不公平さで札幌市を縛るでしょう。東京大会のマラソン・競歩会場の札幌への移転が、住民や自治体の頭ごしに無理やり決定されたという非民主的な経験から、それは火を見るより明らかです。現実には運営費以外の設備費450億円(現時点)の札幌市負担でさえ大変です。膨張必至の経費負担について、地元市民の理解は得られるのでしょうか?すでに行われたいくつかの世論調査でも反対の声は少なくありません。札幌市は来春にも全道を対象とした住民意向調査を行うとしていますが、住民投票でもなくて今後の進め方の参考にすると言うやり方は「招致」を既成事実化して進めるためのものです。

 1998年冬季五輪開催の長野では、開催関連経費を含め1兆5000億円以上の費用がつぎ込まれました。招致段階の会計簿が毀棄され、詳しい支出内容は今もって明らかにされていません。694億円の借金(市債)を返すのに約20年かかり、今は廃墟のように朽ち果てた競技施設が残っています。当初予算4倍の101億円かけて建設された国内唯一のリュージュ・ボブスレー競技施設も年間3億円の維持費が負担となって2017年度末より休止になりました。もうボロボロの施設を解体するにも10億円以上の費用がかかると言われ解体もままならない中、札幌冬季五輪で「再利用」する計画だというのですからとんだ救済措置と言えます。東京大会でも新国立競技場など新設会場7施設のうち、黒字が想定されるのは電通子会社などが25年もの運営契約を結んだ有明アリーナだけです。儲けは民間、借金のツケは税金で、という構図が見え隠れします。維持費に年間24億円かかる新国立競技場の扱いは未定で、その他5競技施設合わせて10億円以上の赤字が毎年都民に皺寄せされるのです。

 2016年リオ、2018年平昌五輪でも多くの競技施設がすでに無用の長物になっています。2年ごとに繰り返される五輪のための大規模開発は、住民の追い出し、また環境や自然破壊も大きな問題で地球環境はズタズタです。とりわけ冬季五輪の競技会場は山間部が多く、貴重な原生林や動植物が開発のために破壊され、命を奪われています。平昌では、森林保護区域であるカリワン山の原生林が壊され、アルペン競技場が整備されました。ホテル建設等と合わせて、そこに住む人々の追い出しも行われました。一度破壊された自然は2度と戻らず、壊されたコミュニティは戻ってきません。

私たちは、国家主義と金権主義、優生思想、植民地主義、家父長制に支配されたメガ・スポーツ・イベントであるオリ・パラ大会は、いつでもどこでも多大な災害をもたらすという観点から2020東京オリンピック・パラリンピックに反対してきました。東京オリ・パラからわずか半年後の来年2月、北京冬季五輪が開催されます。北京五輪をめぐっては、中国政府の人権弾圧を問題視、米国政府が「外交的ボイコット」を表明し、オーストラリア、カナダ、イギリスも同調、日本の対応について岸田首相は「国益に照らして自ら判断したい」と言います。IOCバッハ会長は米国等の対応について「(IOCの関心ごとは)選手の参加だ」と述べています。IOCは五輪が開催できさえすれば良いのであり、そして米国等も外交的ボイコットはしても選手団は派遣します。つまり五輪の利権ボイコットはしないということです。選手のためではなく、お国のため、スポンサーのためというのは土地バブルが弾けかけの中国においても同じです。全ては祝賀資本主義の同じ穴のムジナなのではないでしょうか?2008年北京五輪で始まったバブルも2022年北京冬季五輪で終わろうとしています。まさに祝賀資本主義、このツケを民衆に押し付けられるのはまっぴらごめんです。No Olympics Anywhere オリンピックはどこにもいらない!私たちは北京冬季五輪にも札幌冬季五輪にも反対します。

 札幌と同じ2030年招致に名乗りを上げているバルセロナ=ピレネーでは反対運動が始まっています。2032年のブリスベンは東京五輪開催直前のIOC総会で決定されました。五輪招致に手を上げる都市が減少する一方、住民投票の結果反対が上回り招致から撤退する都市が増加するなど、すでに五輪が望まれない存在となりつつあることに焦ったIOCは、生き残り策として、あらかじめ根回しし、推薦ー内定できるよう開催都市決定のルールを変更しました。2030冬季五輪開催都市もこの方式で、早ければ2022年早期にも決定されるとささやかれています。一度決まった招致決定を覆すのは至難の業です。大切なことは招致計画の段階で葬り去ること。カルガリー(カナダ)、ボストン(米)、ハンブルク(ドイツ)、ローマ(イタリア)、ブダペスト(ハンガリー)等、住民投票や市民の反対の声を受け、五輪招致から撤退しました。今なら間に合います。招致に反対しNO!の声を。札幌市と日本政府に私たちの声を届けましょう。

 私たちは本日以後、アピールへの賛同を呼びかけ、以下の2点の要求を札幌市と日本政府等関係機関へ届けます。

1.札幌市は2030冬季五輪招致から撤退すること

2.日本政府は招致を後押しする一切の動きを取りやめること

2021年12月11日  

              北海道でオリンピックの中止を求める市民連合

              護憲ネットワーク北海道

              改憲阻止労働者・市民行動(北海道)

              オリンピックいらない人たちネットワーク(長野)

              オリンピックの中止を求める松本の会

              反五輪の会 

             「オリンピック災害」おことわり連絡会

             TEACH IN/SPEAK OUT「オリンピック災害を語りつぐ」集会参加者

賛同者個人、団体一覧

賛同募集は終了しました。

声明は、札幌市長、札幌市スポーツ局招致推進調整課およびJOCに提出しました。(2022年3月6日 追記)

*当面の集約先:「オリンピック災害」おことわり連絡会 

 郵送→千代田区神田淡路町1-21-7 静和ビル1A スペースお茶の水(attac首都圏気付)

 メール→info@2020okotowa.link *連絡先 080 5052 0270

*賛同(個人・団体)を募っています。第一次締切 2021年12月31日

2030札幌冬季五輪を止めよう!招致に反対する全国・全世界共同アピールに賛同します。

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