下記の声明への賛同(個人)を募っています。詳細は声明の末尾をごらんください。
英文の声明はこちら(PDF)
2020年2月18日早朝、7月に開催予定の東京オリンピック/パラリンピックに反対する運動を続けているAさんの居所に、警視庁公安部公安二課大林馨警部以下30名の私服警官が「捜査」の名のもとに侵入しました。わたしたちは、市民生活を破壊してまで東京で開催されるオリンピックに対し異議を申し立て、開催権の返上と大会の中止を求める運動や言論活動を一緒に行ってきたAさんに対する、警察・公安当局の暴力的家宅捜査に強く抗議します。
今回の強制家宅捜査に関するわたしたちの事実認識は以下のとおりです。
1)「免状不実記載」という「微罪中の微罪」を口実にした予防弾圧である
2)この罪状と不釣り合いな30名近い私服警官による早朝の捜索が行われた
3)罪状と関係のないパソコン、手帳、携帯、クレジットカードなど、多数の生活必需品が押収され、一部は未だに返還されていない
4)生体認証のための「試料」の入手を図り、髪の毛を持ち去られたほか、口中からのDNAの採取を強要されそうになった(Aさんは任意であることを確認したうえ拒否)。
5)任意同行を求めるなど再弾圧の可能性を示唆して強い脅迫を加えた
生活必需品を押収されたAさんの行動は大きく制約されてしまっています。また今回の捜査でDNAというきわめてセンシティブな個人情報が狙われたことは、五輪開催のための治安管理が、生体認証を全面的に導入した次世代管理テクノロジーの「実験場」とされることを示しているでしょう。オリンピックというメガ・イヴェントを前にして、従来の捜索からのドラスティックな質的転換が起きつつあることを表しています。
わたしたちは、オリンピック開催権の返上と大会の中止をともに求めてきた仲間への不当な捜査に対し強く抗議するとともに、警察・公安による今後の弾圧強化に対して監視力を強めながら、Aさんへの支援と今後の動向への注視を怠らぬよう、国内外の友人やオリンピック開催について疑問を持つ人々に広く呼びかけます。
予防弾圧の時代が迫っています。
オリンピックに異議を申し立てることに強制的な制約をかけ、言論や表現の自由を公的暴力によって制限していこうとする動きを止めなければなりません。競技観戦や聖火リレーに生徒が動員されようとしている学校や、ボランティア等さまざまな協力が要請されている大学など、教育・研究の場も五輪弾圧の脅威に晒されています。今こそ教育者・研究者・言論人が声を上げて社会に訴えるべき時です。以上の趣旨で本声明への賛同を呼びかけます。よろしくご検討ください。
2020年3月10日
五輪反対運動の弾圧に抗議する言論人の会・呼びかけ人一同
阿部潔 井谷聡子 稲葉菜々子 鵜飼哲 小笠原博毅 酒井隆史 原口剛 山本敦久 ジュールズ・ボイコフ
●上記の声明の賛同者を募集しています。賛同される方は、お名前と肩書きを明記して下記に送付してください。なおいただいたお名前と肩書きは、ウエッブなどで公表します。公表不可の方はその旨お書きください。下記のメールアドレスの(a)は@に読み替えてください。
info(a)2020okotowa.link
「なお、肩書きは社会的な活動・関心・研究の内容が分かるものをお知らせください。例・「社会学」「詩人」「五輪災害おことわり連絡会」など」と加えていただければさいわいです。