オリンピック災害からの復興へ
〜TOKYO2020の即時中止を求めます〜
「東京五輪開催中止」の声はすでに圧倒的多数派になりました。宇都宮健児さんが始めた「人々の命と暮らしを守るために東京五輪・パラリンピックの開催中止を求める要望書」に36万人もの人々が賛同を寄せたことでもそれは明らかです。
「復興五輪」なる原発事故ウォッシュ(隠し)や賄賂による誘致からはじまったTOKYO2020をはじめ、これまでの全ての近代オリンピックが、人々の生活や地球環境、そしてスポーツにとっても災害しかもたらさなかったという私たちの指摘が、コロナウィルスの「爆発的感染拡大」(国の指標でステージ4)と緊急事態宣言のなかでさらにグロテスクに実証されてしまいました。
わたしたちは、東京都、組織委員会、JOC、日本政府に対して、東京オリンピック・パラリンピックの開催は無理だとの判断を下して、日本から選出されているIOC委員である渡邊守成氏、山下泰裕氏らを通じて、TOKYO2020の中止をIOCに進言するよう求めます。東京都に対しては、私たちの行った情報開示請求の事実上の拒否を6か月もたってから通知するという情報隠しも甚だしい姿勢に抗議するとともに、誘致から開催中止までのすべての資料の保全と、市民への開示を強く求めます。
緊急事態宣言下の5月1日から9日にかけて、東京の新国立競技場では陸上競技、江東区のアクアティクスセンターで飛び込みワールドカップ、有明アリーナではバレーボール親善大会が、そして北海道札幌ではマラソンフェスティバル2021がオリパラのテスト大会として開催され、約700人の選手と約6000人の運営関係者が参加しました。報道や警備をあわせると、とんでもない経費が投入されるとともに、不急不要の人流がつくられることになりました。
また各地で「爆発的感染拡大」が広がるなか、ナチスドイツに由来するナショナルコマーシャルイベントの「聖火」リレーも続けられています。しばらくのあいだ感染ゼロが続いていたことで県内唯一、公道でのリレーを強行した沖縄県石垣市では5月1日に行われたリレーの2日後から感染者が出始めたことでまん延防止重点措置が発令され、5月15日には県全体の新規感染者134人中、人口5万弱の石垣市で16人の発症が確認されるという深刻な事態になっています。沖縄県全体でも5月15日までに4日連続100人を超す新規感染者を記録しており、県の医療技監は「連休中の人の接触が主な要因」と述べています。5月1日と2日の連休中の祝賀イベントの強行が気の緩みを誘発するとともに、自治体職員や医療機関のリソースや休息がオリパラ関連イベントによって奪われたことも見逃せません。
それに続き福岡県や山口県などでも、リレー直後の緊急事態宣言やステージ4の爆発的感染拡大といったオリパラ災害に見舞われました。「TOKYO」は2011・3・11の福島のみならず、2020においても全国に災害を拡大させています。
五輪災害の被害者は「国民」だけに留まりません。オリパラを理由にした入管行政の人権侵害と殺人政策でもそれは明らかです。災害はなによりも被差別者や「非国民」と呼ばれる人々の命を奪うことが、この五輪災害においても明らかになっています。
5月17日には広島市の平和公園で点火式のみの祝賀イベントが開催されます。バッハIOC会長の訪問はキャンセルされましたが、緊急事態宣言下における祝賀イベントはすぐに中止すべきです。核兵器廃絶の願いを政治的に利用するバッハやオリンピックに対して、地元をはじめたくさんの人々が抗議の声を上げています。
福島、長野、大阪、沖縄、北海道、福岡など全国各地でオリパラ・イベントに対する抗議の声が上がっています。世論やメディアの論調、そしてアスリートからも中止の声が上がっています。世界でもパリ、LAなどオリパラ開催予定地で抗議の声が続いています。
核兵器がなくなるまで灯し続けることを誓った広島の平和の灯とおなじように、東京オリンピック・パラリンピックが中止され、オリパラ犯罪が処罰され、世界からオリンピックとパラリンピックがなくなり、世界中がオリンピック災害から復興するまで、私たちの怒りと希望と連帯の灯は消えることはありません。
東京オリンピック・パラリンピックの即刻中止を求めます。
2021年5月17日
即刻中止!東京五輪5.17銀座デモ参加者
オリンピック災害おことわり連絡会
反五輪の会