パリ五輪の練習用プール建設のための強制立ち退きに抗するオーベルヴィリエ労働者菜園の仲間たちへ

6月23日の一か月前アクションに連帯のアピールを送ってきてくれたパリ五輪に反対する労働者菜園の占拠闘争に強制排除が迫っています。当局の立ち退き期限が今日7月16日だということで、こんどは東京から以下の連帯メッセージを送ることになりました。英語版フランス語版もあります。

(連帯メッセージ)

パリ五輪の練習用プール建設のための強制立ち退きに抗するオーベルヴィリエ労働者菜園の仲間たちへ

2024年のパリ五輪の練習用プール建設のために、1930年代からセーヌ=サン=ドニ県オーベルヴィリエの労働者庶民の胃袋を満たし、緑を保ってきた菜園が破壊されることに抗して、Jardins à défendre(守るべき菜園)の占拠をつづける仲間に、パンデミック下の東京から連帯のアピールを送ります。

この「守るべき菜園」の破壊は、まぎれもなく開催地で繰り返されている「五輪災害」であり、東京でもオリンピックスタジアムのために公園や都営団地から多くの人々が立ち退かされました。

「守るべき菜園」からの立ち退き期限であるきょう7月16日、私たちは東京の庶民の胃袋を満たしてきた「築地市場」跡地の前で集会を開いています。来日中のバッハIOC会長が広島、コーツ副会長が長崎を訪問し「平和の五輪」を演出することに抗議するためです。この築地市場は、1935年から2018年まで83年間、東京の人びとの胃袋を満たしてきた「守るべき魚市場」でした。しかし東京五輪を前にした2018年10月に営業継続の声を無視して潰され、いまではその広大な空き地が東京オリパラの輸送車両基地になっています。

いま東京をはじめ日本では多くの人が、パンデミックを理由に五輪開催に反対しています。しかし「復興五輪」で福島を利用し「平和五輪」で広島を利用するオリンピックが、これまでもずっと人びとの生活を破壊して行われてきた「五輪災害」であったことは、「守るべき菜園」や「守るべき魚市場」をはじめ「守るべき健康」「守るべき住み家」「守るべき緑」「守るべき人権」「守るべき平和」のためにたたかってきた人々にとっては明らかです。コロナパンデミックはそのことを一層明らかにしたに過ぎません。

オリンピックはナショナリズムとキャピタリズムという二つの支配的システムに完全に寄生しているので、支配者たちにはそれを止めることはできません。オリンピックを中止させ、それを永遠になくすには、この二つの支配的システムそのものに挑戦するしかありません。パリはかつて、最初にその挑戦を始めて世界を震撼させた都市のひとつです。私たちはこの挑戦をオーベルヴィリエや世界の仲間たちと続けていきます。

オリンピックはオーベルヴィリエ労働者菜園を奪うな!
オリンピックはどこにもいらない!

2021年7月16日 東京